■見分けのチェックポイント
羽化殻全長25mm前後.腹部第5節と第6節の幅がほぼ同じである.背棘は腹部第9節にある.側棘は腹部第7節から第9節にある.腹部第9節の最大幅に対する正中線上の長さが0.25程度である.触角第3節は棒状をしている.前肢・中肢脛節先端の突起は長く明瞭である.
■分布と類似種
本州,四国,九州に分布する.ホンサナエと似ていて区別が難しい.神奈川県以西では,ホンサナエのほとんどの個体に,腹部第6節から第9節にまで側棘が(松木・横山,1999;松木ら,2003),腹部第8,9節に背棘が認められ(松木ら,2003),これらが存在すればホンサナエとしてよいであろう.しかし東京都以北では,ミヤマサナエと同じ側棘・背棘配置を持つ個体が大半を占める(松木・横山,1999;松木ら,2003)ので,これらを区別点として使えない.この場合,腹部第9節の最大幅に対する正中線上の長さの比を調べてみるとよい.ホンサナエはこれが0.4程度,ミヤマサナエは0.25程度で,ホンサナエの方が長く見える.
アジアサナエ属とも似ている.アジアサナエ属は腹部第5節より腹部第6節の幅の方がはっきりと狭くなるので,それを参考にすればよいであろう.
アジアサナエ属とも似ている.アジアサナエ属は腹部第5節より腹部第6節の幅の方がはっきりと狭くなるので,それを参考にすればよいであろう.
■生態
河川の中流域から下流域に生息する.砂泥が堆積している部分や,堰堤によって砂泥が厚く堆積しているような場所で,成虫が活動していることが多い.幼虫はそういった砂泥底に潜って生活している.羽化は,6月頃,堰堤や護岸のコンクリートにつかまったり,植物によじ登ったりして行われる.