トップ写真の解説
ふつうヒメアカネは湿地の草の中にもぐりこんで産卵します.写真の個体は幸い開けたところで産卵をしてくれました.草の中に潜り込んで産卵するときの写真は草の陰になってしまうことが多いのでラッキーでした.
交尾,2010.10.2.
成虫
通常,6月ころから羽化をはじめます.成虫は12月に入るまで見ることができます.オスは,日当たりの良い湿地やその周辺でメスを捕まえて交尾します.ヒメアカネは連結打泥産卵と単独打泥産卵をするとされています.しかし私は単独打泥産卵しか見たことがありません.交尾を終えたオスはメスを放し,しばらくメスのすぐそばに止まっています.メスも少し静止してから,産卵を始めます.しかし産卵せずに樹上へ帰っていくことも多いです.これはどういう状況でそうなるのかよく分かりません.
成熟オスの静止,2010.10.2.
幼虫
幼虫は湿地の中のくぼ地にできた水たまりなどで生活しています.成長するのが梅雨時期なので,たいがいそういった水たまりは湿地に存在します.幼虫は小さく,また側棘も小さいです.秋に産下された卵は,そのまま休眠して越冬し,翌春孵化します.幼虫は急速に成長して初夏に羽化するという,典型的なアカネ属の生活史を送っています.
スタジオ写真.2011.7.2.