トンボ歳時記
No.320. ヒメアカネの観察. 2011.10.9.

今日は昨日の疲れが取れず,車で長距離を走る気がしなかったので,家から30分ほどのところで,ヒメアカネを観察することにしました.この9月23日に交尾だらけのヒメアカネを観察した湿地です.

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▲観察地.ここにたくさんのヒメアカネが集まっている.

さて,ヒメアカネの行動パターンはだいたい読めているので,産卵が始まる11:00過ぎまでは,近くへカトリヤンマを探しに歩いてみました.カトリヤンマは2頭見かけましたが,通りすぎる個体ばかりでした.稲刈りもまだ済んでいないので,田んぼに入っての写真は無理.あと1週間かそこら後になるでしょう.

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▲ヒメアカネのオスとメス.メスは交尾を解かれた直後.

現地には10:45ころに入りました.オスはあちこちで追いかけ合いをしています.交尾個体ももう飛んでいました.オスが多いので,どこかに止まろうと思っても追いかけられてばかりで,ゆっくり交尾もできないようです.

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▲交尾.下は交尾を解いたオスとメスが近くに止まっている.

文献では,オスが多いと,連結産卵をすることもあるらしいですが,ここのペアは,見る限りでは例外なくオスは交尾が終わればすぐにメスから離れます.産卵は例によって草の茂った中で行われるので,写真には非常に撮りづらい相手です.

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▲ヒメアカネの産卵.打泥の一番いいところが草陰になってしまう.

ここのメスは,交尾を解かれたからといって,すぐに産卵はせず,上空へ飛び去るものが多いです.どうやら,メスがこっそりと産卵に来ているところをオスが捕らえて交尾し,交尾後はメスはほとんど産卵意欲を失っているという感じです.上の写真でも,打泥回数は非常に少なく,すぐに上空へ飛び樹上に上がってしまいました.

今日のゲストはホシホウジャクというスズメガです.湿地に咲いているアザミの密を吸っていました.

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▲アザミの密を吸うホシホウジャク.

ということで,今日は2時間ほどの観察で終えました.