前回からかなり間が開いてしまいました.週末で,晴れたときには仕事が入り,暇なときは雨天と,巡り合わせがうまくいきませんでした.今年は意外に寒くなるのが早く,トンボたちも数を減らしているのではないかと心配です.今日は,飛来種を見るのをサブ目的にしながら,コサナエの幼虫を探しに行くことにしました.
最初,オニヤンマの産卵を見たところへ出かけましたが,成虫はほとんど成果がありませんでした.幼虫をすくってみましたところ,キイロサナエ,ホンサナエ,コオニヤンマ,オジロサナエ,アオサナエ,ダビドサナエ,コシボソヤンマ,コヤマトンボ,ギンヤンマ,アサヒナカワトンボ,ハグロトンボと,トンボの種類は多かったです.
次に休耕田の多い谷へ出かけてみました.
▲かつて飛来種がよく見つかった谷.いたのはアキアカネ(中)とナツアカネ(下).
しかし成果はなく,ナツアカネ,アキアカネ,マユタテアカネ,オオアオイトトンボといったところでした.アキアカネはそこそこいて,やや高いところを10〜20頭が摂食飛翔していました.次に去年オナガアカネを見たところへ出かけてみました.
▲第3の観察地.湿地状の池.リスアカネが産卵していた.
ここはトンボが少なく,アキアカネ,ナツアカネ,ノシメトンボ,オオアオイトトンボといったところで,キトンボが一度訪れ,あとリスアカネが産卵をしていました.幼虫は,ヤブヤンマ,シオカラトンボ,そして目的のコサナエが採れました.
奥の方にある池では,アオイトトンボが産卵をしていました.だんだんと低い位置に移動し,ちょっとだけでしたが,珍しく水面下の産卵を行いました.ただ,それがいやなのかすぐに,腹部先端を水面上の位置に置くように動き,産卵を続けました.
▲アオイトトンボの産卵.上は下3枚とは別の個体.
2段目:メスは水面ぎりぎりの位置で産卵をしている.
3段目:そのまま下がり,ついに,水面下で産卵した.
4段目:だが,すぐにいやだと感じたのか,位置を変えて産卵を続けた.
この池では,クロイトトンボ属のイトトンボが6〜7頭水面をびゅんびゅん飛んでいました.近づいた個体を撮影すると,なんとムスジイトトンボでした.日本海側でのムスジイトトンボの記録はあまり多くありません.それに結構遅いですね.
▲ムスジイトトンボのオスたち.
この池では,ウスバキトンボの幼虫も採れ,処女飛行に飛び立つ個体もいました.寒い兵庫北部でまだ羽化し続けているのですね.その他の幼虫としては,ヤブヤンマ1頭とギンヤンマは多数でした.
▲幼虫.上はウスバキトンボ,下はコサナエ.
13:30にもなると,もう風が出てきて,午後遅いという感じになりました.これで今日は引き揚げることにしました.結局飛来種には出会えずということでした.