トップ写真の解説
このメスは体色が成熟したときの水色になっていません.春の産卵時期には,体色が青色に変化しているのが普通ですが,このようなペアの産卵はあまり見かけないような気がします.この日は,これ以外にも,水色が淡く褐色が勝っているメスがもう1頭いました.風に揺られながらもしっかりとイにしがみついて産卵を続けていました.
連結植物組織内産卵.2018.4.19.
成虫
ホソミオツネントンボは春一番に池に現れるトンボの一つです.成虫で越冬しているので,春暖かくなるとすぐに活動を始めます.産卵された卵はすぐに孵化し,幼虫は夏前後に羽化します.羽化した成虫はそのままどこかへ飛散し,秋,冬を越して,春に成熟します.羽化した夏・秋・冬と未熟なうちは全身が褐色をしています.成熟すると写真のように青くなります.
春いちばん早い目撃記録は,神戸市内で3月26日というのや,3月下旬に自宅の庭にやってきたものがあります.このときはまだ体の色が水色に色づいていなくて褐色でしたが,飛翔は活発でした.4月の上旬から池に現れ,生殖活動を行っています.ほとんどのカップルは,水面からつきでた植物の,水面より高い位置の葉や茎に産卵します.水面に浮かぶ茎や葉にはほとんど産卵しないようです.産卵は連結した形で行うのが普通ですが,1991年8月4日の観察では,単独のメスが産卵を行っていました.季節が進むとオスがほとんど死んでしまっていないためでしょう.ふつう暑くなってくると姿を消しますが,先の例のように時には盛夏でも生き残り個体を見ることがあります.この例から考えると,兵庫県下で唯一,ほぼ一年中成虫を見ることができる種であるといえよう.
春いちばん早い目撃記録は,神戸市内で3月26日というのや,3月下旬に自宅の庭にやってきたものがあります.このときはまだ体の色が水色に色づいていなくて褐色でしたが,飛翔は活発でした.4月の上旬から池に現れ,生殖活動を行っています.ほとんどのカップルは,水面からつきでた植物の,水面より高い位置の葉や茎に産卵します.水面に浮かぶ茎や葉にはほとんど産卵しないようです.産卵は連結した形で行うのが普通ですが,1991年8月4日の観察では,単独のメスが産卵を行っていました.季節が進むとオスがほとんど死んでしまっていないためでしょう.ふつう暑くなってくると姿を消しますが,先の例のように時には盛夏でも生き残り個体を見ることがあります.この例から考えると,兵庫県下で唯一,ほぼ一年中成虫を見ることができる種であるといえよう.
メスの単独植物組織内産卵.2015.6.29.
幼虫
写真で見ると,他のアオイトトンボ属の幼虫と似ているように見えますが,大きさが全然違います.アオイトトンボの約半分しかありません.写真の翅芽の長さがもう終齢であることを物語っていますが,全長20mmあるかないかです.また,下唇の長さもアオイトトンボのように細長くありません.尾鰓は橙色に透けて見えて,上下に3対の褐色斑が見られることが多いです.幼虫は7月頃に田んぼの脇の水たまりや浅い池などで採れ,羽化も観察できます.羽化は8月頃まで続きます.
スタジオ写真.2019.7.2.