トンボノート
No.872. ミルンヤンマ探し.2022.8.28.

まだアカトンボには少々早い感じですので,今日はミルンヤンマとミヤマサナエを探しに行きました.ミヤマサナエはロケハン的な探索で,もちろん?,見つかりませんでした.ミルンヤンマの方は,産卵に来ることはなく,オスが摂食飛翔をしていただけでした.暗い中で素早く飛んでいるので,置きピンでシャッターを切りまくりましたら,50枚ほどの内,1枚だけピントが来ていました.ただ,近すぎてストロボの最短距離内のようで,ちょっと明るい部分が飛んでしまいました.


▲ミルンヤンマオスの摂食飛翔.Uターンした瞬間である.

今日は川を探索したわけですが,川のそばの道路や水田に,オナガサナエがたくさんたむろしているのに出会いました.最初の場所では,メスばかりが見つかってオスはいませんでした.川に入ってもオスは全く姿がなく,メスは悠々と産卵したり水浴びをしたりしていました.オスがいない状態では,そこはメスの天国みたいな感じでした.なんか伸び伸びと活動しているんですね.なお,川ではハグロトンボがたくさん活動していました.


▲ハグロトンボはあちこちで活動をしていた.

止まっているメスは合計4頭見られました.これらのメスは近づいても一気に山の方に逃げるという行動は示さず,ちょっと飛んで止まり場所を変えるという動きでした.産卵には3回入ってきました.ただ,産卵行動は,いつものように一カ所でホバリングするという感じではなく,あちこち飛び回ることが多かったです.


▲アスファルト上や水田の電柵に止まったりしているオナガサナエのメス.


▲悠々と産卵するオナガサナエのメス.

もう一つの場所,ここはミルンヤンマを探しに入ったかなり上流域なのですが,やはりメスが複数いました.ここにはオスもいました.ただ,オスも川の石の上に止まってメスを待つといういつものパターンとは違い,ほとんどの個体は草地や水田や道路に止まっているのです.オスとメスがすれ違う場面でもオスはメスを捕らえようとはせず,繁殖活動をしていない感じに見えました.またこれらの個体は,近づいても山の方に逃げることもなく(といってもここは山の中なので,山の斜面の樹上にという意味),はじめの場所と同じく,ぐるっと飛んで止まり場所を少し変えるといった行動を示します.


▲川のそばの護岸やコンクリートに止まるオナガサナエのメス.


▲草地や岩場に止まるオナガサナエのオス.流れに近い場所ではある.


▲こういう角度で成熟オスの写真が撮れることは少ない.水田のネット支持棒.


▲道路上に止まるオナガサナエのオス.

ミルンヤンマのいるような上流にまでオナガサナエが入っていることにまず驚きます.ほとんどは写真のように流れから少し離れたところに止まっていましたが,1頭だけ流れに止まっている個体もありました.写真で見て分かるように,かなり上流部の様相でヒメサナエが止まっているような場所です.


▲上流部の流れの石に止まっているオナガサナエのオス.

このように,流れから少し離れたところにたくさんの個体が集まっているのを見るのは初めてです.二カ所目の上流部は,オスの止まり方や行動などから見て,ひょっとしたら彼らのねぐらなのかもしれません.でもはじめのメスばかりのところは水田で,この場所がねぐらとはとても思えません.一時休息といった感じに見えました.いずれにしても,オナガサナエの珍しい集合状態を見た気がします.