トンボノート
No.871. オオルリボシヤンマとタカネトンボ.2022.8.27.

連日の猛暑日も一段落し,時折秋の風を感じるようになりました.今日は秋の入り口に飛ぶトンボたち,オオルリボシヤンマとタカネトンボを見に行ってきました.先日出かけたときには両方とも全く姿を見せてくれませんでした.あれから一週間と一日.今日はどうでしょう.

観察地に入ったとき,空はどんより曇っていました.オオルリボシヤンマはこんな天気でも産卵にはやってきます.タカネトンボはちょっとどうかなという感じです.現地では全くオスが飛んでいません.オスはやはり晴れた日の方がよいようです.しかし,メスは3頭産卵にやってきていました.この場所,今年もオオルリボシヤンマは健在のようです.


▲産卵するオオルリボシヤンマ.

次に待つのはタカネトンボですが,オスさえ飛んできません.ちょっと不安を抱きながらオオルリボシヤンマと戯れていますと,オオルリボシヤンマのまわりを飛び回る小さなトンボが目に入りました.タカネトンボのメスです.見つけた場所では短時間産卵をしただけで姿を消しました.少しまわりを歩いてみますと,別の場所で産卵を続けていました.


▲行ったり来たりしているので,ファインダーにつかまえるだけで大変.


▲腹端に卵が出ているのが見える.


▲打水の瞬間.


▲暗くて,なかなかピントが来ない.

タカネトンボの産卵は,(1) 打水,(2) 岸と反対向きに定位,(3) 岸に向く,(4) 卵を含む水滴を岸に向かって飛ばす,(5) 急なUターン,ということを繰り返します.一連の動きを見てみましょう.


▲(1) まず打水する.打水したあとの水紋が見える.


▲(2) いったん,岸とは反対の向きに定位する.


▲(3) 向きを変えて岸の方に向かって定位する.


▲(4) 岸に向かって卵を含んだ水滴を飛ばす.


▲(5) 岸の手前で体をひねってUターンする.

いよいよ秋の入り口になりましたね.今年のトンボ観察で残されているのは,秋のトンボたちだけとなりました.アカトンボ類,アオイトトンボ類,そしてルリボシヤンマです.一年は速いですね.