今日は朝から花粉症が出て,鼻が壊れたみたいな状態でしたが,どこにいても同じなので,トンボの出現状況を見に行くことにしました.日付をみるとまだ4月18日です.例年ですと,そろそろフタスジサナエの羽化が始まるかな,というくらいのタイミングです.しかし,今年はすでにたくさんのフタスジサナエが羽化しており,かなり季節が早く進んでいるように感じます.が一方,タベサナエがまだまだ羽化しているなど,ちょっと出現順の混乱も感じられます.
今日は仮称AからEまで5カ所の観察地に行ってきました.AとBは近くにあり同じようなトンボがみられます.今日の収穫はオグマサナエに出会ったことです.これでコサナエ属3種の出現が確認できました.あとは北部のコサナエだけです.その紹介の前に,やはり春一番のトンボの面目躍如ですね,シオヤトンボがもう繁殖活動を開始していました.オスもすっかりと成熟しており,湿地のあちこちで飛び回っていました.
このオスは下の産卵メスを遠くから見守っている個体です.メスが産卵しているすぐ横で,別のシオヤトンボが羽化をしています.コサナエ属と同じように,羽化がだらだら続いているのが今年の春の特徴のようです.
少し離れたところで,湿地からタベサナエが飛び立ちました.飛び立ったところには羽化殻が残されていました.タベサナエもまだ羽化が続いています.
フタスジサナエは,B地点では羽化の盛りという感じでした.先日30個以上の羽化殻を見つけたのはA地点で4月12日でした.今日はA地点では全く羽化殻が見つからなかったので,やはり近所でありながらも,生息場所によって,羽化のタイミングは微妙に違っているんですね.
そして今日はやっとオグマサナエに出会いました.B地点には以前からオグマサナエがいたのですが,タベサナエが入ってきてからどうも数が減ったように感じていました.今日羽化直後らしい成虫を見つけたので,羽化殻をちょっと真剣に探しましたら,同じB地点でも,植生のない,堰堤のところから急に深くなるような一番奥の池で羽化殻を見つけました.別の生息地でも同様に,岸から急に深くなるような,植生がない池でよく見つかります.多の2種とは微妙に好みの微小環境が違うようです.
今日はB地点で,足下から飛び立つたくさんのコサナエ属を見ることができました.この風景が好きで毎年春が来るのを楽しみにしています.ただこれを写真で表現できないのが残念です.
さて,次は,かつて定点池と称して,毎年春に必ず観察に立ち寄っていた池(D地点)に行ってみました.この池は,隣の池が工事によって改修され,その間水を落とされていたりして,トンボにとって厳しい状態が去年から続いていました.今日は水位は復活し,以前の様相とよく似た状態になっていました.ただ,たくさん生えていたカンガレイが,全く芽吹いていません.水を落としていた影響があったのかもしれません.それでも,枯れ草が浮いているあたりに,成虫越冬種が集まっていました.個体数は多くはありませんでしたが,この池で久しぶりに成虫越冬種3種を見ることができました.
これをいいスタートとして,この池が以前のように活気ある状態に戻ることを期待したいです.連休あたりにきてみると,その答が分かるでしょう.
さて,他のC地点,E地点はほとんど成果がありませんでした.C地点は秋にオオキトンボやタイリクアカネを見に来るところですが,春の状態はもう一つでした.処女飛行に飛び立ったシオカラトンボがいました.E地点はアオモンイトトンボの多い池ですが,まだ羽化していないようでした.あと,アジアイトトンボの姿をちらっとだけ見ました.ということで,今日の新顔を最後に掲載して,今日の報告を終わります.