トンボノート
No.819. まだまだ元気なトンボたち.2021.12.9.

12月になりました.トンボシーズンもいよいよ終わりに近づきました.ここからはトンボたちがいつまで生き残っているか,いわゆる生き残り調査に入ります.今日は,まず今年の秋,集中的に出かけていった池に,オオキトンボとタイリクアカネの生き残りを見に行くことにしました.今日は全国的に晴れとの予報でしたが,池に着いたとき,残念ながら雲が出ていてまったくトンボがいませんでした.そこで,例年見に行くキトンボが集まる池に出かけてみることにしました.こちらは日が射していました.

池に着くと,まず1頭のトンボがひらひらと飛び,地面に止まりました.写真に撮ってみると,ナツアカネでした.

▲ナツアカネのメス.

池に入ると,いやはや,トンボたちがあちこちで飛んでいます.まだこの池のトンボたちは最盛期という感じです.池の水が落とされていて岸が広く露出しています.その奥の方で,キトンボの交尾態が飛んでいました.まだ産卵は始まっていないようなので,この交尾態は産卵に移行するだろうと思い,後を追いかけました.

▲キトンボの交尾態.産卵が始まる前の交尾.

このキトンボの交尾態はだんだんと水のある方に移動していきました.と,水際ではもう産卵が始まっていました.10:45頃です.ここは日射しが強いせいか,比較的早い時間に産卵が始まったようです.







▲キトンボたちの産卵.3枚目ではメスがストライキを起こしている.

そうこうしているうちに,翅が透明なトンボたちも産卵を始めました.おそらくタイリクアカネです.場所を移動し,そちらへ近づいてみました.するとそれはアキアカネでした.

▲アキアカネの産卵.1/200でシャッターを切ったため,ほとんどぶれていた.

池に着いたときアキアカネらしいのがいたと思いましたが,やはりアキアカネがいました.ただ,後にも先にも,アキアカネの産卵はこれだけでした.同じような場所でトンボが産卵をしていますが,あとは全部タイリクアカネでした.







▲タイリクアカネの産卵ペアたち.

タイリクアカネもキトンボも.10ペア以上は産卵に来ていたようです.だいぶん気温も上がってきたみたいだし,空の雲もなくなってきたので,もう一度オオキトンボを見に行くことにしました.池を離れようとすると,足下でキトンボやタイリクアカネが産卵をやっていました.





▲まだまだ産卵を続けているキトンボたち.11:20くらい.





▲タイリクアカネの産卵.キトンボみたいな産卵や,単独でもやっていた.

岸近くで,キトンボと一緒になって産卵するタイリクアカネ.まるでキトンボの産卵をまねしているように見えました.

さて,まだまだトンボたちは活動していますが,生き残り調査ですので,このくらいにして最初の池に戻りました.こちらの池はやはり雲がかかっていてあまり良い条件ではありませんでしたが,池に下りると,オオキトンボが飛びました.

▲オオキトンボのオス.

この池で見たのはこれ1頭だけでした.タイリクアカネの姿もありません.キトンボの池ではタイリクアカネがいっぱいいたのに,こちらの池では消えています.池によって活動時期が違っているのでしょうか?

ということで,まだまだたくさんのトンボが活動していました.まだ半月ぐらいは姿を消さないと感じます.また1週間ほどして来ることにしましょう.