トンボノート
No.818. 茶色のオオキトンボ.2021.11.19.

今日の兵庫県は全域で晴れ模様.こんなときは観察に出かけるほかはありません.今年は10月下旬に訪れた池が珍しく水を落とし続けているので,連続定点観察をしています.この池は10年に1回くらいこのような状態になります.前回はそのおかげでマイコアカネがたくさん観察できました.今年は,オオキトンボとタイリクアカネなどです.

オオキトンボはそろそろ没姿時期が近づいてきています.この時期になると,体に赤味が増し,全体として茶色になります.この色彩が大好きで,毎年の楽しみにしています.





▲茶色のオオキトンボのオスたち.

朝10時頃に池に着きましたが,気温はまだ14℃.トンボはほとんどいませんでした.11時を過ぎるとやっと出てきました.オオキトンボも水面をホバリングしたり,連結個体も一つ見ました.タイリクアカネとの異種間交尾も見ました.

▲水面でホバリングするオス.まだまだ頑張っている.

▲タイリクアカネのメスとタンデムになったオオキトンボのオス.

異種間交尾のタンデムが止まっているすぐ横にタイリクアカネがいて,ちょっかいをかけていました.まるで「俺のメスを取るな」と言っているみたいでした.写真でもタンデムをじっとにらんでいます.

タイリクアカネもまだたくさん残っていました.水面をホバリングしたり,タンデムが産卵をしたり,産卵が終わった頃には周辺で交尾をしたりと,繁殖活動は活発に行われていました.



▲産卵しながら水面を飛び回るタイリクアカネのタンデムペア.



▲池の周辺の草むらでは,産卵後のメスを捕まえて交尾が行われている.

この池では,アキアカネは思ったほど数が増えず,タイリクアカネに混じって,繁殖活動を行っていました.交尾・産卵などが観察できました.





▲繁殖活動をするアキアカネたち.

これ以外には,リスアカネやマユタテアカネが少数生き残っていました.12時頃にはトンボが多く見られましたが,2,3週間前に比べると,明らかに数は減少しています.今日は目の前で産卵するペアがいませんでした.

この池にはキトンボが来ません.キトンボはまた別のところへ見に行く必要がありそうです.今日はトンボ以外の生き物たちがすぐ近くを通り過ぎました.ゲストとして紹介しておきます.

▲セキレイがどんどん近づいてきたのでシャッターを切ったら驚いて飛び立った.

▲きれいな毛並みのヌートリアも目の前を悠然と通り過ぎた.

今日は98%欠ける部分月食でした.これもついでに記録しておきました.

▲6時3分,もっとも欠けると報道のあった時間帯に撮影した部分月食.

さて,来週からは寒くなると言う予報です.どれくらいが生き残るでしょうか? 気温は下がっても晴れる日が多そうですから,意外と残るかも知れません.次はその寒さが通り過ぎた後に来てみることにしましょう.