昨日・今日と,エゾトンボ系の姿を探しに行きました.昨日は,例年見られるハネビロエゾトンボの姿がなく,今日はタカネトンボを見に,山の池に行くことにしました.結果からいうと,まだタカネトンボには早かったのか,まったく飛びませんでした.池にいたのは,モノサシトンボ,オオアオイトトンボ(周辺),オオシオカラトンボ,そしてオオルリボシヤンマでした.
池では,ネキトンボが羽化をしていました.別の所からもネキトンボの処女飛行個体が飛び出し,合計2頭見つけました.
オオルリボシヤンマは,1頭が池の上をすばしこく飛んで,摂食をしていました.さらに別の1頭は,産卵にやって来たメスを追いかけていました.まだ8月前半ですが,もうオオルリボシヤンマは産卵をしているのですね.早い感じです.
ということで,目的のタカネトンボは今日はあきらめることにしました.11:00に池を離れ,帰りにコシボソヤンマの姿がないか,以前毎年行っていたポイントへ行ってみることにしました.この場所ではこの3年ほどコシボソヤンマの姿を見ていません.以前川が渇水によって干上がり,その次の年から姿がまったく見られなくなったのです.最後の確認は2018年でした.もう帰ってこないかなと思っていたのですが,今日産卵メスに出会いました.
流れをジャブジャブ上がっていくと,その水音で驚いたのか,メスが木の上に方に飛び上がりました.「あっ,いたっ」と,とても嬉しかったです.久しぶりのご対面です.
でも,慌てることはありません.このコシボソヤンマのメスは,20分もすれば,必ず下りてきて産卵を再開します.過去の観察からその確率が非常に高いことを経験しています.
飛び上がってしばらくは.完全に静止した状態でじっとして止まっていました.そして約15分ほど経ったとき,翅を小刻みに震わせ始めました.体を温めているのでしょうか? もう間もなく飛び立つはずです.そして17分後,パッと飛び立ち,左右に行ったり来たりしながら下りてきて,初めに産卵していた木の切り株に止まり,産卵を再開しました.
少しずつ後ずさりしながら,産卵を続けます.一度再開すると,ストロボを焚こうが近づこうが,お構いなしに産卵を続けるから不思議です.2度ほど飛び立ち,産卵場所を変えました.
このまま彼女に付き合うと,たぶん2時間以上になると思いますので,20分ほどで切り上げることにしました.「あとはだれにも邪魔されず,頑張って産卵を続けてください.そしてその子孫が,またこの場所を飛び回る日が来ることを祈っています.」なんてちょっとキザな言葉を思い浮かべながら,産卵をあとにしました.
毎年一回は顔を見たくなる兵庫県のトンボたち.コシボソヤンマとは,来年以降もまた出会えることができそうです.