トンボノート
No.795. つかの間の晴れ.2021.6.29.

今日は朝のうち雨がぱらつきました.しかし午後には日射しが戻ってきました.そこで,今日は,チョウトンボの発生状況を見に行ってきました.現地に入ったのは14:10ごろでした.暑い日差しものもと,チョウトンボたちは水面を飛び回っていました.交尾状態で飛んだり,産卵をしていたりと,つかの間の晴れを最大限活用しているみたいでした.

▲チョウトンボの交尾.

▲金色型のメス.

▲オスと同色型メスの産卵.

急に天気がよくなると色々なトンボが一斉に活動を活発化するようです.ギンヤンマも産卵にやって来ました.



▲連結産卵,単独産卵,ギンヤンマも産卵にやって来る.

ここへは,春にアオモンイトトンボをよく見に来ていました.しかし今日はアオモンイトトンボの姿をほとんど見かけません.この時期一時的に数が減って,あと半月もすれば二化目が出て個体数が増えるのかも知れません.それでも,オスや産卵メスが少しだけ見られました.



▲アオモンイトトンボの数は非常に少なかった.

そして,今日初めて見たのが,アジアイトトンボの潜水産卵です.図鑑などではときどきやっていると書かれていますが,見たのは初めてです.ここへは,アジアイトトンボやアオモンイトトンボの産卵を観察するためによくやって来ているのですが,個体数の割になかなかその姿が見られませんでした.潜水産卵を多くの個体がやっているのならば,産卵を見つけにくかったことが納得できます.

▲アジアイトトンボの潜水産卵.あっという間にもぐってしまった.

▲こんな感じでスズメノヒエ類の茎に潜水産卵をしている.

アジアイトトンボはキシュウスズメノヒエやチクゴスズメノヒエなどの群落内によく見られます.ひょっとしたら写真のような感じで,かなりの頻度で潜水産卵をやっているのかも知れません.潜水産卵は,潜るところを見つけないとなかなか発見が難しいので,気づかないということはあり得ることです.

15:00を過ぎると,急に雲が出てきて,トンボたちの活動もパタッと止みました.夏のトンボたちも日射しが好きなのですね.一時間にも満たない観察でしたが,色々なトンボたちの行動に接することができました.