トンボノート
No.779. シオヤトンボの飛水産卵.2021.5.9.

今日は,上流域へダビドサナエを見に行くことにしました.今までにまったく行ったことがないところへの探索です.結果的に交尾態になったダビドサナエを1回目撃しただけで,不発に終わりました.初めての場所では,なかなかうまくいきません.

代わりといっては何ですが,山中にある水のきれいな池で,オグマサナエの生息を確認しました.池の周囲の道路上に5頭ほどいました.





▲オグマサナエ.池の周囲には見られたが,池の畔にはいなかったので,繁殖ポイントがよく分からなかった.

オグマサナエが繁殖活動をしていないかと,水辺まで下りてみましたが,まったく姿なし.ただシオヤトンボが産卵をしていました.





▲シオヤトンボの産卵.

シオヤトンボは飛水産卵をします.飛ばした卵を貼り付ける構造物がある場所の前で,そこに向かって水を飛ばします.今日はそればかりねらってシャッターを切りました.水を掻いている途中から水が飛んでいる感じです.力学的にどういうしくみになっているのかちょっと理解が難しい感じです.









▲水滴を前方に飛ばして産卵するシオヤトンボ.

オグマサナエはいたものの,あまり成果がなく,帰りにかつてトラフトンボやヨツボシトンボがいた池に寄ってみました.しかしこの池も改修されていました.建物が建設されたため池の一部を埋め立て,ついでに浚渫もされたようです.広い湿地状の部分が広がっていて,そこにヨツボシトンボが舞っていましたが,今日はトラフトンボもヨツボシトンボも姿がありませんでした.浚渫時に幼虫が絶やされてしまったのでしょう.こうやって,どんどんトンボが消えていくんですね.

▲この池のかつての姿.このヨシ原部分は浚渫されなくなった.

ただ,クロイトトンボがたくさん発生していて,ここのところイトトンボがいないとわめいていたのが嘘のようでした.他に,アオモンイトトンボ,アジアイトトンボ,そしてアオイトトンボが羽化していました.それでも,以前はこの池にいたセスジイトトンボは姿を消していました.



▲クロイトトンボのオスとメス.無数といってよいほどたくさん発生していたのは嬉しかった.
▲アオモンイトトンボのオス.
▲アジアイトトンボのオス.
▲羽化して間もないアオイトトンボのメス.

今日のねらいはダビドサナエだったのですが,これについては,また別の場所をねらうことにします.このあとしばらく天気が悪いようで,ちょっと間が空きそうです.