トンボノート
No.752. 続 ナニワトンボの観察.2020.9.22.

昨日に引き続き,ナニワトンボの観察にでかけました.昨日はオスの数が多かったのですが,産卵活動は今ひとつでした.あれだけオスがたくさんいたのですから,もっと産卵に来るはずだということで,もう一度出かけることにしました.

▲ナニワトンボのオス.

ナニワトンボは,今日は10:45頃から産卵に入ってきました.昨日より1時間早く登場です.これが普通なのですね.その後12:45くらいまでの間に,7回ぐらい産卵にやって来ました.今日も記録はすべてビデオです.

「兵庫県とその近隣のトンボたち」に公開しました(2020.9.24.).ビデオは産卵行動をすべてスローモーションで編集しています.遊離性静止産卵も観察できました.6分52秒と,少々長いビデオになっています.

▲ナニワトンボの遊離性静止産卵(ビデオの切り出し).

ナニワトンボと同時期に同所的に活動しているのがリスアカネです.メスは色彩がよく似ているので,彼らはよく間違えないものだと感心しますが,ときどきナニワトンボのオスがリスアカネのメスとつながっているのを見かけることがあります.

▲リスアカネのオス.

リスアカネもたくさん産卵にやって来ました.10:30に第一番目が産卵に入り,13:00までの間に10回以上産卵にやって来ました.やはりこれが普通の姿ですね.今はリスアカネの最盛期ですから.いったい昨日は何だったのでしょう? 

リスアカネのビデオも,産卵行動部分についてはスローモーションで編集しています.ナニワトンボにしてもリスアカネにしても,暗いところで速い動きで産卵するので,ビデオカメラでピントを追い続けることが非常に難しく,ピントの来ているカットを短くつなぎ編集することになってしまいます.しかしスローモーションでゆっくりとした動きのほうがトンボの動きもよく見えますので,このようにしました.

▲マユタテアカネのオス
▲マユタテアカネの赤い腹部のメスとの交尾.(ビデオの切り出し)

今日はマユタテアカネは2回産卵にやって来ました.一つは腹部が赤いメスとの連結産卵.なかなかチャンスがないパターンです.そしてもう一つが今日のトピック.カエルが産卵中のマユタテアカネにジャンプ一発,食らいついたのです.カエルがトンボをねらうシーンは何度か見たことがありますが,ことごとく失敗するシーンばかりでした.

今回は見事に回っているビデオのファインダーの中で,カエルがジャンプし食いついてくれました.これは相当の幸運がなければ成功しません.まず目の前で食いつきに成功することが必須です.そしてちょうどいい位置にカメラが立っていて,ピントが合っていて,という条件が必要です.これらが全部うまくいきました.なお今日のビデオは限定公開ではなく,「兵庫県とその近隣のトンボたち」に公開しています.

今日は,例年通りの感覚で産卵が見られました.昨日は快晴,今日は雲の多い晴れで日が射したり陰ったり.天気の違いが行動の違いになっているのでしょうか.快晴は良くないのでしょうか? 本当に昨日は動きのない一日でした.もう一つ,ナツアカネが単独産卵する姿にも出会いました.それとオニヤンマが休息しているのに出会いました.

▲オニヤンマのオスの休息.

最後にナツアカネの単独打空産卵のビデオクリップを限定公開で紹介しておきます.同じ池で4種のトンボが産卵にやって来るというのは,結構珍しいと思います.