トンボノート
No.736. アオモンイトトンボを見に.2020.5.30.

予定通り,今日は近くの池に,アオモンイトトンボを見に行ってきました.極めてふつうのトンボですが,こういうのを記録するのに結構手間取ります.色々なトンボの簡単な生態ビデオを作ろうと思っていて,アオモンイトやアジアイトのビデオがないのです.そこで,今日も重たいビデオ機材をかついで出かけてきました.

アオモンイトトンボは午後が産卵時間帯ですので,お昼から出かけました.まあ,サラサヤンマなどとは違って数はたくさんいますので,着いたらあちこちオスが飛んでいました.しかし,メスがいないんですね.橙色をしたまだ未熟なメスは飛んでいますが,緑色のメスがいません.前回21日に来たときに,橙色のメスがたくさんいたので,そろそろ成熟しているかと思いましたが,まだでした.アオモンイトトンボのメスの体色が変化するのには思いのほか時間がかかるようです.こんなことも超普通種で観察を後回しにしているから,経験として私の中にないのですね.反省です.

▲ハスの葉の縁に止まるアオモンイトトンボのオス.
▲キシュウスズメノヒエの葉に止まるアオモンイトトンボのオス.

とにかく腰を下ろして,待つことにしました.日差しは薄雲の上からですので,それほど暑くは感じないので助かりました.腰を下ろしてキシュウスズメノヒエの群落に目をやっていると,不思議なんですね,トンボが見えてくるのです.すぐ近くで3ペアが交尾をしていました.もう1時30分になろうかという時刻ですが,微動だにせず交尾姿勢のまま静止しています.



▲交尾は午前中が中心と思っていたが,この季節だからか,午後になっても続いていた.

そうこうしていると,緑色のメスが目に入りました.腹部を下に曲げて交尾拒否姿勢をとってオスを追っ払っていました.アオミドロの上に止まりましたので,産卵しないかとカメラを構えました.すると,アメンボがやって来て,このメスに近づいて行きます.獲物だと思っているのですね.アメンボの脚が触れた瞬間,メスは飛んで逃げました.

▲止まっているメスにこっそりと近づいて行くアメンボ.

やがて,産卵をしているメスが目に入りました.しかしカメラを向けるとビタッと産卵を止めじっとしています.しばらくして産卵行動を開始しましたが,基質が気に入らないのか,すぐに移動してしまいました.スチルカメラならこれでも十分ですが,動画にはならないのですね,こういう動きは…

▲カメラを向けると産卵を止めてじっと静止した状態になった.


▲2回ほど移動して産卵行動をとったものの,すぐに飛び去った.

飛んだ先にはまたアメンボがいて,このメス産卵をしようと腹部を曲げて基質に触れた瞬間,先端がアメンボに当たって,慌てて飛んで逃げました.それきりどこへ行ったか分からなくなりました.

▲飛んだ先にはまたアメンボがいた.

今日はアメンボに邪魔された日でした.まだアオモンイトトンボの産卵活動の最盛期には早い感じがしましたので,今日はこれで終えることにしました.もっと成熟メスが増えてから来ることにしましょう.池ではショウジョウトンボが元気に活動していました.

▲ショウジョウトンボのオス.

今日の写真はすべてビデオのリッピングです.