トンボノート
No.705. 北海道のトンボたち(2).2019.7.19.

 朝目が覚めましたら,空はどんよりした曇り空.データ放送で天気予報を確認したら,私の居るあたりは終日曇り.少し北の方へ行けば晴れ間も出るらしい.しかし北海道の少し北というのは,片道100kmを超える距離.まあ,だめもとで,予定通りの行動をとることにしました.ホテルから少しで行ける公園の池にまず行ってみました.この曇り空で,トンボの活動状態を見ようというわけです.

 公園の池では,アオイトトンボがたくさん羽化して飛んでいました.北海道ではエゾアオイトトンボが混じるので,慎重に見極めなければなりません.が,見た限りすべてアオイトトンボでした.そのほかに,池面にルリイトトンボがいて,草むらをたたき出すと,多分キタイトトンボと思われるメスが飛び出しました.いずれも写真には撮れませんでしたので,採集確認をしました.キタイトトンボらしいメスは,種名が確定できなかったので,持ち帰りました.



▲アオイトトンボのオスとメス.

 こんな曇天でもトンボは動いていることが分かったので,もう一つ近くの公園の池をのぞいてみました.たくさんのイトトンボが活動していました.北海道では,気温が20度もあれば,こんな曇天・強風でも,トンボが活動しているのですね.ただしトンボは,すべてクロイトトンボ,産卵もしていました.北海道まで来てクロイトトンボはないだろうとも思いましたが,気をよくして,今日の目的の池沼に行ってみることにしました.

▲曇天・強風・寒さの中,クロイトトンボはたくさん活動していた.

 しかしながら,この沼ではトンボの姿がほとんどありませんでした.大きな沼ですので強い風がもろに水面に吹きさらしています.それでもアカネ属のトンボが飛び立って風に飛ばされるように飛んだので捕まえてみると,マユタテアカネでした.たくさんのマユタテアカネのテネラルな個体が見られました.その他はシオカラトンボが1,2頭.神戸と変わりませんね.待っていても天候は回復しそうにありませんので,曇天の探索モードに切り替えました.風が当たりにくい木の陰などの草むらに集まっているはずです.

▲マユタテアカネのメス.

 しばらく探すと,まず見つけたのがキタイトトンボ.北海道では普通種ですが,神戸から来た私にとっては,目的の一種です.そのあとすぐメスも見つけました.はじめこのメスはアジアイトトンボに見えたのですが,よく見ると全然違います.いちおう,北海道特産のトンボを見られたのでほっとしました.これ以外には,ルリイトトンボ,エゾイトトンボが見られました.







▲草むらにたむろしていたキタイトトンボたち.
▲ルリイトトンボのオス.


▲エゾイトトンボのオス.

 これ以上はいくら探しても見つかりませんので,明日に期待して,今日はこれで終えることにしました.車で道を移動しているとき,エゾシカに会いました.

▲今日のゲスト,メスのエゾシカ.