トンボノート
No.703. カトリヤンマの羽化.2019.7.4.

先日採集してきたカトリヤンマが羽化し,カトリヤンマであることが確定されました.カトリヤンマの幼虫は特徴的な形態をしているため,まず間違うことはありませんが,それでも念のためというところでした.

▲カトリヤンマの幼虫が,上半身を素面から出して止まっている.7月3日.

上の写真は,採集後すぐに,特に翅芽が膨らんで羽化間近な個体を,飼育ケースに入れたところの写真です.3頭写っていて,一つは支持棒の裏側に止まっています.ヤンマの幼虫は結構人などの動きに反応し,このように支持物の陰に隠れようとします.右側の翅芽が白っぽくなっている個体は,もう胸部の気門で空気呼吸を開始しているのでしょう.上半身(胸部)が水面上に出ています.左側の個体は腹部先端を空中に出しています.まだ直腸呼吸をしていて,羽化が近く代謝が盛んなため空気から酸素を取り入れているのかも知れません.

▲水面から完全に出た状態.7月4日.
▲羽化したカトリヤンマ.7月4日.

羽化したカトリヤンマは放してやりました.すると,裏の木に止まったので,一枚写真を撮りました.

▲羽化直後のカトリヤンマのメス.

幼虫採集をすると,こうやって羽化が観察できるのですが,羽化しはじめを見つけてしまうと,結局羽化が終わるまで見ていたりして,数時間の観察ということもあります.

追加になります.7月6日,オスが羽化しました.

▲カトリヤンマのオス.7月6日.