トンボノート
No.694. ウチワヤンマはどこに!? 2019.6.9.

今日は朝のうちだけ晴れるとの予報だったので,昨年とまったく同じ日付で,ウチワヤンマの繁殖活動を観察に行くことにしました.昨年は8:30の段階で交尾飛翔しているのを見ましたので,今日は7:30に池に着くように出かけました.ビデオも撮ろうと思ったので,重い機材を用意し,勇んで池に入りました.空は快晴,風弱し.言うことありません.ところがです,去年あれほどたくさんいたウチワヤンマの姿が,全くの皆無! 池の周囲を半周ほどしてみましたが,姿はなし.いったいどうしたのでしょう? 去年の子孫は多分来年の羽化になりますから,今年はいなくて当然.それにしても,まったくいないというのは不思議なこともあるものです.

▲去年はたくさんウチワヤンマがいて,交尾,産卵も盛んだった.2018.6.9.

そんな感じで,茫然と池を眺めていますと,コフキトンボが1頭止まっていました.また周囲の草地を歩くと,こちらは去年と同じ,羽化直後と思われるタイリクアカネが飛び出しました.

▲ぽつんと止まっていたコフキトンボのオス.まだ若い.
▲羽化直後のタイリクアカネのメス.

唯一何もいない池で元気に活動していたのは,オオヤマトンボでした.いるトンボを観察する,ということで,オオヤマトンボが産卵に来ないか,1時間余り待つことにしました.まあ,残念ながら産卵には来なかったですが,飛び回るオスを記録に撮ることができました.合焦率2%くらいでした(笑)







▲池の周囲をパトロールするオオヤマトンボのオス.

オオヤマトンボは全部で3頭いたようです.上の4枚のオオヤマトンボの写真を見ると,右前・後翅にクモの巣が絡みついている個体(3番目の写真),まったくクモの巣がなく腹部第10節背面の黄色斑が大きい個体(4番目の写真),同様にクモの巣がなく腹部第10節背面の黄色斑が小さな個体です(2番目の写真).

▲岸近くを飛ぶオオヤマトンボのオス.
▲飛んでいるときに出会うと,追飛行動が起きる.
▲時には追われて上空へ舞い上がることがある.

オオヤマトンボは,ただただ池の岸に沿って,周囲を周回するだけの行動ですが,見ているとなかなかダイナミックでした.最後に,今日もっともきちんと合焦した1枚を掲げて,終わりにします.

▲なかなかここまでピントがきちんとくる写真は撮れません.