新 トンボ歳時記
No.340. キトンボの生き残り調査 最終回 2012.1.22.

1月9日以来,曇で気温の上がらない日が多く,先週末もほとんど晴れ間が持続せず,キトンボの姿を見ることができませんでした.今日は予報とはうってかわって,穏やかで暖かい晴れの日でした.今日いなければこれを今年の最後の締めくくりとすることにし,サイトBへ出かけました.

青空が広がるサイトB

一番暖かくなる正午頃をねらって現地に入りました.池は風もなく陽が当たって,温度計で陽の当たっている地面付近の温度を測ったら,25℃まで上昇しました.これなら昼間キトンボが活動できるのはもっともなことですね.池の縁を3往復しましたが,まったくキトンボの姿はありませんでした.これまでの一連の観察で,キトンボが冬に死んでいく原因は,生理的寿命,夜の低温,昼の低温で摂食ができないための飢餓状態,鳥による被食,の4つを考えることができました.今年の元気なキトンボを見ていると,前二者で死ぬものより,後二者で死ぬものの方が多いような印象を受けました.

さて,いずれにしても,これで今シーズンの成虫観察は一段落しました.暖かい週末があれば成虫越冬性のトンボを探しに行くことがあるかもしれませんが,この4月まではしばらくお休みです.