晩秋のトンボ生き残り調査といきたいところですが,まだまだトンボたちは元気です.今日は,道路の温度表示が10時45分ころの段階で12℃.風は冷たいのですが天気は快晴で,日向にトンボがとまっているはずということで,定点観察に出かけました.
▲上:池の風景.すっかり秋色になっている.
下:今日のゲスト,ヌートリアのヌーちゃん(勝手に命名).
池はすっかり秋色で,水生植物もほとんど枯れ草色になっています.ヌートリアがこの池にも入ってきていました.大丈夫かな... 池に着いたのは11時前でしたが,池にはマユタテアカネが出ているだけで,キトンボの姿はありません.そこで,まずはひなたぼっこをしているトンボたちの観察から始めました.
▲上:農道に実っている柿.
2・3段目:キトンボのオス,4段目:マユタテアカネのオス.
トンボたちはまだ元気にいることを確かめて,池に戻りました.11時20分,交尾しているアキアカネを見つけました.撮影し,しばらく観察しました.腹部がリズミカルに動いて,精子置換をしているのかななどと,色気のないことを考えていました.そのうち離れて,産卵を始めました.気温はいくらほどあるか分かりませんが,空気はどことなくひんやりしています.アキアカネの動きは緩慢で,腹部先端が泥に当たってひっつくのか,ぺったんぺったんという感じでした.写真には撮りやすいですね.おかげで打泥の瞬間はかなり成功率高く撮れました.
▲交尾・産卵するアキアカネ.
アキアカネが産卵したということは,キトンボも来るだろうということで待つことにしました.案の定向こうの方にペアが入りました.しかし産卵せずに岸辺に止まりました.これは交尾をするなということで,追うことにしました.キトンボの交尾はあまり目にしません.だいたいは,池の外でメスを見つけて交尾してから,池に入ってくるような感じです.交尾が解けて産卵を始めました.キトンボは寒くても動きは活発で,写真には撮りにくいです.不思議とキトンボにはピントが合わせづらく,ピントがシャープに決まりません.体色のせいか,動きのせいか,何なのでしょうね.
▲交尾・産卵するキトンボ.
キトンボの産卵を観察し終えると,何か赤いトンボが単独打水しています.どう見てもオスの感じです.近づいてみると,マユタテアカネの「オス」が単独打水の動作をしていました.これは何なのでしょうね?
池に戻ると,マユタテアカネの産卵を見つけました.これも,動きが緩慢で,ぺったんぺったんやっています.またまた写真は撮りやすい感じでした.
▲マユタテアカネの産卵.
上:マユタテアカネオスの単独打水行動.腹端が草に接している.
下:産卵するマユタテアカネ.
ということで,まだ池はトンボの繁殖の季節が続いていました.没姿調査というより,いつまで産卵が続くかが,今年の楽しみになりそうです.