トンボ歳時記
No.215. コバネアオイトトンボの探索. 2010.10.11.

今日は兵庫県の北部へルリボシヤンマを探しに行くつもりにしていましたが,豊岡市や香美町がピンポイントで天気が悪く,気温も低そうだったのでやめにしました.そこで,昨年から全くすがたを見ていないコバネアオイトトンボを探しに行くことにしました.過去の記録地をまわってすがたを探す計画です.

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▲一つ目の池.トンボはアオイトトンボ.

一つ目の池はカンガレイがいっぱいに茂っている池です.しかしいるのはアオイトトンボばかりで,コバネアオイトトンボは皆無でした.

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▲二つ目の池.下左:オオキトンボ,下右:マイコアカネ.

二つ目の池はオオキトンボなどが姿を見せる池です.コバネアオイトトンボは池周辺の草地などでかつて見られていました.しかし,ここも,オオキトンボやマイコアカネはいたものの,コバネアオイトトンボは皆無.すべてアオイトトンボでした.

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▲三つ目の池.私自身としては本命の池.中:キトンボ.
 下:クモの巣にかかった産卵ペア.クモはオスには目もくれずメスを食べている.

三つ目の池は,環境も良く,水質も悪化していない,本命の池です.しかしながら,オオアオイトトンボとアオイトトンボはいましたが,コバネアオイトトンボはいませんでした.キトンボのオスが6頭ほどいてなわばり活動を行っていました.産卵にも4ペアほど入ってきました.そのうちの1ペアがジョロウグモの巣にかかり,消化液を注入されたメスがチューチューと溶けた組織を吸われていました.そのメスの産卵弁からは,卵があふれ出ていました.最後の力をふりしぼって,メスが体外へ卵を放出したのかもしれません(ちょっと感傷的すぎるかな).消化液の力がそこにやってくる前に,卵を採取しました.

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▲卵塊を出しているメスと,採取したキトンボの卵.

卵の写真を撮るのは初めてです.着色を始めているものがあり,どうやら生きているようです.しばらく観察を続けてみたいと思っています.ただ,一部変形した卵があって,消化液が到達していたのかもしれませんね.

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▲最後に行った先の休耕田でエゾトンボが飛んでいた.加東市.

最後の場所は写真を撮り忘れました.でもコバネアオイトトンボはいませんでした.行った先の休耕田の上をエゾトンボが飛んでいました.日向を飛んでいるので,結構きれいな写真になりました.

今日は4ヶ所の既産地をまわりましたが,まったくすがたを見ず.コバネアオイトトンボの減少が非常に気になります.どこにいるのやら....