トンボ歳時記
No.188. オオシオカラトンボの観察. 2010.8.9.

今日は曇の予報でしたが,朝から雲一つない快晴.テーマの普通種を探しに今日も出かけました.今日は春によく出かけた宝塚市の方へ行きました.

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▲空は真っ青の快晴.曇の天気予報はどこへ行った!?.

現地に入ったのは8:00ころ.まだ朝の涼しい風が吹いていました.空は真っ青の夏空.早朝の散歩といった感じで気持ちよく観察をスタートできました.オオシオカラトンボはここ彼処に止まっていました.鹿の被害が大きいのか,水田のまわりには電線が張り巡らされていて,オオシオカラトンボはそれにとまっていました.ちょっぴり風情がありませんが,これが今の時代なのですね.

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▲上:電線にとまるオスやメス.このメスが産卵した.
 下:林道の轍にたまった水に産卵するメス.

電線にとまっているメスがいて,写真に撮るとすぐに飛び立ち,産卵を始めました.林道の轍にたまった水に産卵しています.これは確実に無駄な産卵になりそうです.このメスはすぐ横の電線に止まっていたオスに追われ,飛び去ってしまいました.

続いて少し日当たりのよい道を歩くと,あちこちにオオシオカラトンボのオスが飛んだり止まったりしていました.そんな中,溝で産卵をしているメスに出会いました.こちらはオスが警護して産卵を促しています.

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▲上:溝の横に止まっているオオシオカラトンボのオス.
 中:警護されながら産卵するメス.
 下:打水の瞬間.白っぽく写っている水が前方に飛ばされている.

なかなか打水の瞬間をとらえることは難しいのですが,1枚だけ写っていました.泥水が前方に飛ばされているのが分かります.このメスもそう長く産卵することなく,逃げていきました.

なかなか落ち着いて産卵している場面に出会いません.しばらく歩いて少し休憩しようと思ったときでした.シオカラトンボが交尾しているのを見つけました.それを撮りに近づいたとき,すぐ横の溝で産卵するメスを見つけました.近づこうとすると先にオスに持って行かれました.幸い近くに交尾態で静止しました.

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▲上:電線の支柱で交尾するペア.
 2・3段目:交尾が解かれるとメスは電線に止まった.オスはまわりを飛ぶ.
 4・5段目:オスに警護されて産卵が始まった.

電線の支柱の赤いのは本当に風情がありません.これが竹の棒などだと感じいいのですけどね.交尾は5分たらずで終わり,メスはすぐ横の電線にとまりました.このメスはもう既に産卵をかなりしていたので,本当はオスから逃げたかったのでしょう.産卵をすぐ始めずにじっと止まっています.オスはそのまわりを飛び回り,産卵を促しています.2,3分たってから,メスは産卵を始めました.オスはメスの上側を飛び,メスが上昇して逃げないように,時々体当たりして水面の方へ押し下げます.オスはメスを「警護」するというより「産卵強制」しているように見えます.メスは先ほどの産卵の続きを再開しました.

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▲産卵を続けるメス.

やはり打水の瞬間を収めるのは難しいです.何枚か写っていましたが背中を向けているアングルばかりでした.まあ,テーマの普通種の記録,一つずつ消化していけているようです.