ノシメトンボの産卵は,コノシメトンボの産卵がちょうど終わったあたりから始まります.ノシメトンボは水のない草地に産卵します.いずれは水が上がってくるのでしょうが,池からかなり離れたところで連結打空産卵を行います.
▲草の間に潜り込みながら産卵を行う.
コノシメトンボと同様に,産卵の途中でメスを放し,単独打空産卵に移行することがあります.このときオスは近くを飛んでメスを警護します.
▲上:メスを放したオスが,メスの産卵を少し上から見守る.
中:卵が放出されているのが写っている.
下:単独産卵を行うメス.
まだ時期的に少し早いのでしょうか,ノシメトンボの産卵は,数ペアが見られただけでした.もう少し季節が進めば,たくさんのペアが入り乱れて産卵するのが観察できるかもしれません.
さて,ここにはオオキトンボも見られます.といっても,兵庫県下では各地でまだ見ることができますが,... うまくいけばこれの産卵も写真におさめたいと思っていました.しかし,あまり数多くの産卵を見ることはできず,私は連結状態の産卵を見ることができませんでした.それでも,単独産卵はなんとかカメラに納めました.まあ,オオキトンボはこれからが本番のアカトンボです.
▲オオキトンボの単独打水産卵.
アカトンボは,このほかに,マイコアカネ,マユタテアカネ,ナツアカネを見ました.
アカトンボが秋のトンボなら,まだ池には夏のトンボが頑張っていました.シオカラトンボが結構いて,コノシメトンボが産卵をしているころにあちこちで交尾・産卵をしていました.これもついでに撮っておきました.
▲シオカラトンボの打水産卵.
その他にも夏の名残のトンボはいました.タイワンウチワヤンマ,ショウジョウトンボ,クロイトトンボ,ウスバキトンボ,ギンヤンマ,オオヤマトンボなどです.オオヤマトンボは少し腰を落ち着けて撮影に挑戦しました.1枚だけピントが合っていました.オオヤマトンボはグリーンの体色が銅色に変化し翅もけぶって,日齢の経過を感じさせる個体でした.
▲夏の名残のトンボたち.
上:オオヤマトンボの飛翔,体色が銅色になっている
中左:赤土の道路上を飛ぶウスバキトンボ,
中右:クロイトトンボ,下:ギンヤンマの飛翔.
10月にはいると,これら夏のトンボの数は一気に減って,秋一色になるのでしょう.
今年のアカトンボ観察は好天に恵まれて順調で,いちおう,すでに12種類のアカトンボを観察し終えました.あとは,マイコアカネ,ヒメアカネ,タイリクアカネ,キトンボ,そして飛来種が残っています.全種制覇なるか...