今日は天気予報では午後から雨.朝からどんよりとした曇り空で気温も低く肌寒い感じでした.そこで今日は,兵庫県北部,豊岡市内を流れる河川へ,幼虫調査に出かけました.ねらいは,ミヤマサナエとキイロヤマトンボです.
最初は,過去に一度だけミヤマサナエの幼虫を採集したポイントへ入り,幼虫をすくってみました.アオサナエやハグロトンボの小さな幼虫は入るのですが,ねらいのミヤマサナエは全く入りません.約40分くらいすくったところで,やっとミヤマサナエが1頭網に入りました.
▲ミヤマサナエ幼虫.もう少し成長すると,複眼が緑色に輝くのだが,...
これ以外にはコオニヤンマ,シオカラトンボの幼虫が採れました.キイロヤマトンボはこのポイントでは全く入りませんでした.
続いて少し下流へ下り,山が迫って,砂が堆積しているポイントへ入ってみました.
キイロヤマトンボの幼虫を本気で採集するのは久しぶりで,彼らが好む砂粒の大きさの勘が戻るまで1時間ほどかかったでしょうか,最初に小さな幼虫,そしてしばらくして終齢幼虫が網に入りました.
▲キイロヤマトンボ終齢幼虫.
その後もかなり粘りましたが,結局これら2頭でおしまいでした.
この川は,2004年10月の台風23号の大雨で,底の砂がほとんどといってよいほど流されてしまいました.キイロヤマトンボは目の細かい砂にもぐって生活しており,台風によるこの環境の激変はかなりのダメージになったのではないかと心配されました.とりあえず今日,幼虫が見つかったことで,まだこの川に生息していることが確認はできました.
▲キイロヤマトンボ幼虫.このように砂にもぐって隠れて生活する.
しかしながら,この川はあの水害以来改修が続けられ,こういった砂が分厚く堆積する場所は,河床が高く川が浅くなってしまうため,浚渫されてしまうのだろうと思われます.現にこのポイントより下流部はきれいに改修されて,砂が厚く堆積することもなく,石がごろごろしているような河床になっています.さらにこのポイントのすぐ横にもショベルカーが止まっており,護岸用のコンクリートも置かれていました.この場所も環境が改変される日が近いかと思われます.