H099. オオシオカラトンボ Orthetrum melania melania
<特ちょう>
オオシオカラトンボはトンボ型の幼虫です.体の表面に泥(どろ)がたくさんついていることが多いですが,洗い流すと,表面がすべすべしたやわらかい幼虫です.よく動きまわります.
翅芽(しが)は左右に開かず,まっすぐ後ろにのびています.
触角(しょっかく)は糸のように細くなっています.腹部の横のとげ(
側棘:そっきょく)は第8,9節にあります.背中のとげ(
背棘:はいきょく)は小さく,第4−7節にあります.
<よく似た幼虫との区別>
シオヤトンボや
シオカラトンボと,とてもよく似ています.しかし,
シオカラトンボには背中のとげがありませんので,区別できます.
シオヤトンボとの区別は難しいです.オオシオカラトンボの方が,体が太く大きいですが,それでは区別できません.いちばん確実な方法は,
下唇(かしん)を引きのばして
下唇側片(かしんそくへん)の上にある
側刺毛(そくしもう)の数をかぞえることです.写真3のように,オオシオカラトンボはこの
側刺毛の数がふつう7本(ときどき8本)ありますが,
シオヤトンボはふつう5本(ときどき6本)しかありません.
<さがす場所のヒント>
オオシオカラトンボは池や湿地(しっち)の住人です.ふつうの池でも,池のまわりに浅いところが広がっていれば,いることがあります.また,川の上流の浅い流れや,水がわきだして,じゅくじゅくしているようなところにも,住んでいることがあります.
終齢幼虫は,ほぼ一年中採れます.
写真6.産卵しているメスとそれを見まもるオス.湿地(しっち)の浅い流れで卵を産んでいます.