兵庫県の幼虫ガイド
H021. アオモンイトトンボ Ischnura senegalensis
アオモンイトトンボ終齢幼虫
写真1.アオモンイトトンボ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長19mm前後.2011.5.28.
<特ちょう>
 アオモンイトトンボはイトトンボ型の幼虫です.尾さいをふくめた全長は19mmほどのやや大きな幼虫です.体は,表面がすべすべしていて,やわらかい感じです.尾さいはやや太く,先がとがっています.尾さいには,とくに目立つ模様はありません.夏に採れる終齢幼虫は,冬から春に採れる終齢幼虫より,ひとまわり体が小さくなります.

アオモンイトトンボの側面と腹面. アオモンイトトンボアジアイトトンボの尾さいの比かく
写真2.アオモンイトトンボの側面と腹面. 写真3.アオモンイトトンボとアジアイトトンボ尾さいの比かく.


<よく似た幼虫との区別>
 アオモンイトトンボは,アジアイトトンボと似ています.冬から春にかけて採れる幼虫では,尾さいの太さがかなりちがいます.アジアイトトンボは,細く,するどく先がとがっていますが,アオモンイトトンボは,はばがかなり広くなっています.しかし,夏前に採れる幼虫は,アジアイトトンボでも,尾さいのはばが広くなるので,尾さいの形では区別できなくなります.
 アオモンイトトンボは,ホソミイトトンボともよく似ています.ホソミイトトンボは,腹部の腹面に黒い点がならぶので,それで区別できます.これについてはホソミイトトンボのページを見てください.


<さがす場所のヒント>
 アオモンイトトンボは池の住人です.どちらかといえば,平地の,広く,明るい池を好みます.ハスやその他の植物がたくさんしげっている池に多く集まっています.幼虫はそういった池の,植物の茎(くき)や葉,またはモにつかまって生活しています.幼虫はほぼ一年中採れますが,終齢幼虫を採るなら,3,4月が適しています.夏にも採れます.

アオモンイトトンボの産卵場所.
写真4.ハスのしげっている池の,植物の茎に産卵しているメス.モがうかんでいる.