H022. アジアイトトンボ Ischnura asiatica
<特ちょう>
アジアイトトンボはイトトンボ型の幼虫です.
尾さいをふくめた全長は19mmほどのやや大きな幼虫です.体は,表面がすべすべしていて,やわらかい感じです.
尾さいはやや細く,先がとがっています.中央で折れるように曲がります.
尾さいには,とくに目立つ模様はありません.夏に採れる
終齢幼虫は,冬から春に採れる
終齢幼虫より,ひとまわり体が小さくなり,はばも広くなります.
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写真2.アジアイトトンボの背面と側面. |
写真3.アジアイトトンボとアオモンイトトンボの尾さいの比かく. |
<よく似た幼虫との区別>
アジアイトトンボは,
アオモンイトトンボと似ています.冬から春にかけて採れる幼虫では,
尾さいの太さがかなりちがいます.アジアイトトンボは,細く,するどく先がとがっていますが,
アオモンイトトンボは,はばがかなり広くなっています.しかし,夏前に採れる幼虫は,アジアイトトンボでも,
尾さいのはばが広くなるので,
尾さいの形では区別できなくなります.
アジアイトトンボは,
ホソミイトトンボともよく似ています.
ホソミイトトンボは,腹部の腹面に黒い点がならぶので,それで区別できます.これについては
ホソミイトトンボのページを見てください.
<さがす場所のヒント>
アジアイトトンボは池の住人です.どちらかといえば,平地の,広く,明るい池を好みます.スゲなどの細い植物がたくさんしげっている池に多く集まっています.幼虫はそういった池の,植物の茎(くき)や葉につかまって生活しています.幼虫はほぼ一年中採れますが,
終齢幼虫を採るなら,3,4月が適しています.夏にも採れます.
写真4.植物がたくさん生えている池で,たおれた植物のはに産卵しているメス.幼虫はたおれた草につかまって生活しています.