H009. ミヤマカワトンボ Calopteryx cornelia
<特ちょう>
ミヤマカワトンボはカワトンボ型の幼虫です.体全体が固い感じです.
尾さいの長さは腹部の長さの半分か,それより少し長いくらいです.
尾さいは固く,両側の
尾さい(
側さい)はぶ厚く,中央の
尾さい(
中央さい)はうすく板のようです.写真3のように,
触角(しょっかく)は第1節がとても長くなっています.写真2のように,若い幼虫でも
触角がものすごく目立ちます.
<よく似た幼虫との区別>
ミヤマカワトンボは,
ハグロトンボや
アオハダトンボととてもよく似ています.しかし,これらとは,大きさがちがいます.写真3のように,ミヤマカワトンボの
終齢幼虫では,尾さいをふくめた全長が60mmくらいの大きさがありますが,
ハグロトンボや
アオハダトンボは40mmくらいです.また,
触角の第1節が,
ハグロトンボや
アオハダトンボより長くなっています.
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写真2.ミヤマカワトンボの若い幼虫. 触角の第1節がとても長く目立ちます. |
写真3.ミヤマカワトンボとハグロトンボ,アオハダトンボとの比かく. ミヤマカワトンボが,はっきりと大きいのが分かります. 触角の第1節も,ほかの2種より長くなっています. |
<さがす場所のヒント>
ミヤマカワトンボは川の住人です.上流から平地をゆったりとの流れる川にまで,はば広く生活しています.でも,どちらかといえば,林の中を流れる川に多いようです.写真4のように,メスは川にころがっているかれ木に卵を産みつけます.ミヤマカワトンボは,水の中にもぐって産卵することが多く,産卵する姿をあまり見かけないのも特ちょうです.成虫は春から夏にかけて現れます.
終齢幼虫は春によく採れますが,夏前でも採れることがあります.幼虫は,川の底にたまっている落ち葉の中などにもぐりこんで,生活しています.
写真4.川に転がっているかれ木に,水中にもぐって産卵しているメス.