兵庫県の幼虫ガイド
H027. ミルンヤンマ Aeschnophlebia milnei milnei
ミルンヤンマ終齢幼虫
写真1.ミルンヤンマ終齢幼虫(しゅうれいようちゅう).全長は25−35mmくらい.2012.6.13.
<特ちょう>
 ヤンマ型をした幼虫で,やや小ぶりの体格をしています.このヤンマは池には住まず川で生活しています.写真1のように足の白黒のまだらがはっきりとしていて,写真3のように背中(腹の第8,9節)に白っぽいスポットがあります.時々このスポットがはっきりしないものもあります.一番まちがいない区別点は,下唇(かしん)を裏から見たとき,写真2のような小さな2つの突起があることです.背中にとげ(背棘:はいきょく)はありません.腹の横には,写真3のようにとげ(側棘:そっきょく)があります.

ミルンヤンマのはいきょく ミルンヤンマのそっきょく
写真2.ミルンヤンマの下唇.先に小さな2つの突起があります. 写真3.ミルンヤンマの横のとげ.第5〜9節にあります.


<さがす場所のヒント>
 ミルンヤンマの幼虫は,川の上流で生活しています.林の中を流れていて,はばのあまり広くない,石がごろごろしたような川です.そういった川の石の間にたまった落ち葉の下などにかくれています.川の中の小さな昆虫(こんちゅう)を食べて生きています.秋に,そういった川のほとりにある,かれてしめった木の枝や幹に,卵を産みます.卵がかえるのは次の年の春で,それから2年以上幼虫で生活し,6,7月ころ羽化をします.一年中幼虫はとれますが,羽化を観察したいときは,6月の初めくらいにとりに行くとよいでしょう.そのころに羽化が近い終齢幼虫が見つかります.

ミルンヤンマの産卵場所.
写真4.ミルンヤンマの産卵.ミルンヤンマは林の中のうす暗い川のほとりで,しめった枯れ木に卵を産みます.