トップ写真の解説
トンボ観察には運というのがあるような気がします.この日はメスが次々に産卵に来て,飽きるほどシャッターを切ることができました.その末にカメラが壊れたというおまけつきです.岩面に取り付いてコケなどの間に腹部を差し込んで産卵するので,真横から産卵管を突き立てているショットはなかなか望めません.結局似たようなアングルの写真を大量生産してしまいました.
メスの産卵.2012.5.27.
成虫
4月下旬ころから羽化し,5,6月を中心に見られます.メスは,産卵時以外は林の中を飛び回っており,生息地の山道を歩いていると出会ったりすることがあります.オス・メスとも木の幹にセミのようにペタッと止まっていることが多いです.夕方になると,地面に止まっているのもよく見られます.メスはチョロチョロと水が滲み出ているような場所で,湿土やコケに産卵をします.
オスの静止.2010.6.12.
幼虫
ムカシヤンマ幼虫は,水の湧き出している斜面などに穴を掘って生活しています.そういった環境を訪れるとたくさんの穴が開いていますが,ムカシヤンマが隠れている穴は,泥が入り口のすぐ外側にかき出されています.運が良ければ穴から顔を出している場面に出会えます.穴を掘っての生活に適しているように,肢も太く固いクチクラで被われています.幼虫期間は2,3年です.
スタジオ写真.2011.10.1.