トンボ歳時記
No.167. ムカシヤンマの探索. 2010.6.10.

さて,最後はムカシヤンマの探索とサラサヤンマの観察です.ムカシヤンマは兵庫県ではなかなか出会えないのですが,知人の情報をもとに探しに出かけました.いつも午前中から昼にかけて見に行っているので,今日は午後1:30過ぎから探索を始めました.

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▲ムカシヤンマのオス.

いましたいました.かなり探し回りましたが,3:00ころ,地面に止まっているオスを発見しました.このオス弱々しく飛んで,あちこちに止まり直してくれましたので,写真を撮るのには都合よかったですね.

このムカシヤンマを見つける前に,あちこち歩き回りました.サラサヤンマのいる湿地は,先日の雨のせいでしょうか,水がうすくたまっていて「浅い池」状態,サラサヤンマは1頭だけオスがホバリングしていました.そこで山道を奥に入っていきました.

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▲サラサヤンマの縄張り行動.

サラサヤンマは,こちらにいました.樹林に覆われた山道に水が流れているのですが,ここに3オス,縄張りを形成していました.いつもと同じで,水のないくぼ地状の場所を縄張りに持ち,ホバリングしてはその縁に止まります.ここで産卵を待つ手もありますが,あまり期待できそうにないので今日はサラサヤンマはあきらめ,ムカシヤンマの探索を続行することになりました.

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▲ここで出会ったトンボたち.
 上:ヤマサナエのオス
 2段目左右:アサヒナカワトンボ.
 3段目左:モートンイトトンボメスの羽化直後個体.同右:同成熟オス.
 4段目左右:グンバイトンボのオスとメス.
 5段目:ハラビロトンボの成熟オス.

ここも春のトンボと初夏のトンボが入り交じった状態でした.グンバイトンボまで山道に入り込んでいるのには驚きました.これ以外に,クロスジギンヤンマ,ヨツボシトンボ,ホソミイトトンボなどが見られました.

このあと山道を下り,上のムカシヤンマを見つけ,もう一度同じ道を往復しました.時刻は4:00近くになっています.サラサヤンマが道の明るいところで摂食飛翔を始めました.いよいよ今日のオスの繁殖活動も終わりのようです.明るいところで飛んでくれると目の色が自然でいいですね.でも,摂食飛翔はホバリングをほとんどせず往復飛翔するだけですので撮影は結構難しいです.

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▲サラサヤンマの摂食飛翔.

ということで,今日は成果もあったし,これで帰ろうとしたとき,こんなものですね,ムカシヤンマがもう1頭いました.腹部の先が少し下に曲がっているので,先の個体とは違うと思います.

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▲5:00前,日がかなり傾いたころ,道に止まっていたムカシヤンマ.

ということで,帰りのおみやげ付きで.今日の一日を終えました.