トップ写真の解説
オニヤンマの産卵はそこそこ見ることができます.しかしどういうわけかカメラを手にしているときにはお目にかかれませんでした.こうなると,オニヤンマの産卵をねらって待つしかありません.8月の後半以降に産卵を見る機会が多いので,一度産卵を見たこの場所で何度かねばってみました.待ちくたびれたころ,ぱさぱさという翅の音がしました.振り返ってみると湿地状になっているところに,かなり深く腹部を差し込んで産卵しているメスがいました.
産卵中のメス.2011.9.18.
成虫
初夏に羽化して,いったんは川を離れて生活します.山頂付近の道路の高いところを往復飛翔しながら摂食活動をしているのをよく見かけます.成熟するとオスは流れに戻ってきて,低いところを往復飛行して,メスを探しています.しかし今まであまりメスをつかまえた瞬間を見たことはありません.交尾は,林の中の樹木の高い位置で行われているのを見たことがあります.秋口まで成虫が見られますが,知らぬ間に姿を消してしまいます.
オスのパトロール飛翔.2011.8.3.
幼虫
オニヤンマは幼虫で冬を越しています.羽化まで数年かかるようです.以前,川の流れがせき止められているところで幼虫をすくっていたとき,オオルリボシヤンマとオニヤンマが採れました.オニヤンマを放し,その後でオオルリボシヤンマを放したら,先に放したオニヤンマが底に潜っていて,後で放したオオルリボシヤンマの幼虫をあっという間に食ってしまったころがあります.大食漢ですね.
スタジオ写真.2011.3.13.