トップ写真の解説
この日はミナミヤンマの産卵観察2回目のチャレンジでした.昨年も産卵を観察しましたが,そのポイントは大水のせいか河床環境が変わってしまっていましたので,別のポイントを探しに移動したところで,写真のメスの産卵を目撃しました.到着後15分でミッション完了というところです.このすぐ後にももう一頭メスが全く同じポイントに産卵にやってきました.川の流れなどどこも同じように見えますが,ヒメクロサナエにしてもクロサナエにしても,トンボにとってここという産卵ポイントがやはりあるのだろうという思いが強くなった一コマでした.
メスの打水の瞬間.2013.7.7., 徳島県.
成虫
6月ころから8月にかけて成虫が見られます.ミナミヤンマは浅い流れで産卵をします.ハネビロエゾトンボとよく似た感じで,水面ぎりぎりのところをせわしなく行き来しながら,時々打水します.打水の間隔はハネビロエゾトンボよりはるかに長いです.オスは流れの上をパトロールし,なわばりを形成します.オスは夕方になると活動が活発になるように見えます.
産卵にやってきたメス.2013.7.7., 徳島県.
幼虫
幼虫は,急峻な斜面を流れる,うす暗い細流に生息しています.こういったところは雨が降ると一気に水量が増えるので,幼虫は流されないように,大きな石の下にもぐりこんでいます.大きな石の下の下流側から手を入れて,砂利を掻き出すと,幼虫が転がり出てきます.幼虫は少なくとも2年以上をかけて成長し,羽化に至ると思われます.
スタジオ写真.2009.4.12., 徳島県.