トップ写真の解説
ネキトンボは非常にきれいなトンボです.オスは成熟すると,体全体が写真のように真っ赤になります.遠目にはショウジョウトンボと見間違えることがあるので注意を要します.産卵は写真のような典型的な連結打水産卵です.池を広く動き回って産卵するので,写真には撮りにくい相手です.打水する場所の水中には,写真のように沈水植物や植物沈積物があることが多いようです.
連結打水産卵.2014.9.27.
成虫
6月頃には成虫が姿を見せ始め,早ければ6月中旬には産卵活動が見られます.その後10月頃まで産卵が観察できます.つまり,他のアカネ属に見られる夏の間の生殖休眠がなく,夏季種のトンボのような生活史戦略を持っているといえます.産卵様式は連結打水産卵で,後半オスはメスを放して警護に移行し,メスは単独打水産卵をすることが多いようです.
交尾.2009.10.18.
幼虫
ネキトンボはアカトンボ(アカネ属)の1種ですが,生活史は他のアカネ属と大きく異なっていて,基本的に幼虫越冬しています.ネキトンボの幼虫は,沈水植物の中にもぐりこんでいることが多いです.産卵を見ていても,沈水植物上の水面に打水していることが多いので,成虫たちも幼虫が暮らしやすい場所を認識して産卵しているのかもしれません.
側棘の長さがアキアカネに似ていますので,それだけを見ているとアキアカネと同定してしまう危険性があります.ネキトンボは背棘に変異がありますので,背棘の配置を調べたり,また独特の体斑なども見て,慎重に調べる必要があります.
側棘の長さがアキアカネに似ていますので,それだけを見ているとアキアカネと同定してしまう危険性があります.ネキトンボは背棘に変異がありますので,背棘の配置を調べたり,また独特の体斑なども見て,慎重に調べる必要があります.
スタジオ写真.2012.6.17.