トップ写真の解説
上の写真は水面から突き出た石の湿っているところに卵を貼り付けた瞬間です.通常暗いところで黒いメスが猛スピードで動いているので,ファインダーを覗いてもピントの合い具合が分からないのですが,この産卵は背景が白い石だったのでトンボを確認しやすく,撮影は楽でした.
単独植物上産卵(産卵基質は石だがいちおうこう呼んでおく).2018.7.23.
成虫
だいたい5月の下旬ころから羽化が始まり,6月のはじめには,池周辺の木陰で摂食飛翔する未熟個体がたくさん見られます.その後しばらく羽化が続き,8月に入ると,未熟な個体はほとんど見かけなくなります.夏の終わりには,知らぬ間に姿を消しています.アカトンボが飛び始めるころにはほとんどその姿は見られません.産卵の様式は植物上産卵です.必ず水面から「少し出ている」湿った枯れ枝などに卵を貼り付けます.ものすごいスピードで上下動を繰り返してみるみる間に卵がはりついていくのが分かります.メスにとっては相当激しい運動だと思います.卵は乾かないようです.同じような産卵をするコフキトンボの卵は,ほんの少し水面下に貼り付けられ,水面上に出るとアメンボなどの餌食になってしまいますが,コシアキトンボの卵は餌食にはならないのが不思議です.
オスのアグレッシブな闘争.2018.7.23.
幼虫
コシアキトンボの幼虫は,ほぼ通年にわたって採集できます.夏は少ないですが,小さなものは採れます.オオクチバスが入った池でもかなり生き残っていますので,オオクチバスの採餌方法をうまくすり抜けられるような微小生息場所に隠れているのかもしれません.幼虫で越冬します.
スタジオ写真.2009.4.18.