トップ写真の解説
写真は,エゾトンボの産卵です.産卵弁の先端がとがっていて,それで泥をトントンと打って卵を置きます.結構長い時間産卵をしていますが,他のエゾトンボの例にもれず,薄暗いところで産卵するので,写真には撮りにくい相手です.
単独打泥産卵.2012.8.1.
成虫
初夏に羽化し,夏から秋にかけて成虫が出現します.夏の間は涼しい樹林内や山間部でその姿を見かけることが多いです.夕方になると黄昏飛翔をし,ヤブヤンマやギンヤンマに混じって上空を飛んでいます.早朝にも林縁を飛ぶ姿が見られますが,これは摂食飛翔と思われます.9月に入るとオスは湿地上を旋回して飛びます.産卵は小規模な水たまりや湿地に行われています.
オスの縄張り飛翔.2011.9.23.
幼虫
エゾトンボの幼虫は,昔はわりあい簡単に採れたものですが,最近は採集するのが難しくなりました.水があるときには,湿地の草の根際などにもぐりこんでいることが多く,湿地の水たまりをすくっても見つからないことがあります.水が枯れると泥の中に潜り込んで我慢しているようです(多分餌が採れないと思われる).写真の幼虫も水が涸れた湿地の泥の中から採集されたものです.生活史は定かではありませんが,兵庫県での幼虫期は2年のように思えます.
スタジオ写真.