トップ写真の解説
ヒヌマイトトンボは河口付近のヨシ原に生息しています.オスは翅胸前面にある淡緑色の4つの点が特徴で,他種と簡単に区別できます.交尾は早朝に行われます.この点は同属のモートンイトトンボとよく似ています.この写真を撮ったのは午前7:30でした.なおこの兵庫県の産地は日本海側で初めて見つかった産地で,その後日本海側各地で発見が相次いぎました.
交尾.2010.8.5.
成虫
出現期は5月下旬頃から9月下旬ころまでとされていますが,兵庫県の記録としては6月−8月までしかありません.6月の下旬頃が最も個体数が多く,この時期には羽化,未熟個体,成熟個体,繁殖活動のすべてが観察できます.交尾は午前中に見られることが多く特に早朝に多いようです.産卵は,メスが単独で,水面に浮かんで水分を含んだヨシの枯れ茎に植物組織内産卵を行います.午後は適当に休息したり摂食したりしています.おそらく一年一化の生活史を営んでいると思われます.
未熟メス.2012.7.15.
幼虫
幼虫は,他のイトトンボの幼虫と違って尾鰓が非常に細く尖っていて,先の方に黒褐色の斑紋が並ぶのが特徴です.ヨシ原に浮かぶ枯れ茎などにつかまっています.高い塩分濃度に耐性があるようです.
スタジオ写真.2004.6.19.