トンボ歳時記
No.272. 再び雨を覚悟で... 2011.6.26.

昨夜半,雷とともにものすごい雨が降って,夜中に目が覚めました.どうやら明け方まで降っていたようで,6時過ぎにやみました.今日からは古いカメラを使っての撮影になり,連写ができないので飛んでいるトンボはまず無理ということで,兵庫県北部へヒヌマイトトンボなどを観察に行きました.

ファイル 272-1.jpg
▲ヒヌマイトトンボの観察場所.
 中:複眼の外側が茶色の未熟オス,下:オレンジの未熟メス.

遠阪峠を越えると雨が降り出し,現地も雨.まあ,雨は覚悟しての出発でしたからそれは仕方ありません.使っている古いカメラはオリンパスのE-10という,その当時は有名になった機種です.ストロボの加減が特によく分からないので,色々と露出を変えて撮影をしました.Nikonのカメラとは微妙に違う色づくりです.

ファイル 272-2.jpg
▲まだほとんど未熟な個体ばかりで,交尾は見ることができなかった.

さて,ヒヌマイトトンボはたくさんいました.ヨシ原から抜け出て,隣接する畑の中にまで入り込んで飛び回っていました.でも,見たのはすべて未熟な個体ばかり.朝8:00ころでしたが,交尾を見ることはできませんでした.


ファイル 272-3.jpg
▲二番目の観察地でのハラビロトンボ.上:メス,下:未熟オス.

さて,次は,ちょっと寄り道をして,ハラビロトンボを見に行きました.もうたくさんいました.羽化直後から老熟まで,ありとあらゆる成熟段階の個体が混じっていました.


さて,次が本命の観察地です.今年は,春の源流域のトンボを徹底的にねらうことにしています.香美町の方まで出かけて,サナエトンボ類を探しに行きました.

ファイル 272-4.jpg
▲第三のポイント.上:川の風景.他はアサヒナカワトンボのオス.
 2段目:橙色翅型のように,流れの石に止まってなわばりを形成している.
 3段目:この老熟オスは,なわばりに侵入した別のオスにつかみかかった.
 下:なわばりを形成してそれを見張っているオス.

しかしながら現地も雨が降ったりやんだり.サナエトンボが出てくるはずもありません.川で元気に活動しているのは,アサヒナカワトンボとミヤマカワトンボでした.アサヒナカワトンボは産卵を期待しましたが,空振り.ここのアサヒナカワトンボのオスはすべて透明翅型ばかりですが,なわばりを形成しています.他のオスが侵入すると,対峙し,つかみかかって追い払います.

ファイル 272-5.jpg
▲ミヤマカワトンボ.上がメス,下がオス.

今年はこの場所2回目なのですが,2回とも雨にたたられました.最後に写真はあきらめて,網で叩き出しを行いました.すると,2頭,小型のサナエトンボが飛び出しました.雨が降っているので落ち着かず,すぐに上の方に逃げてしまいましたが,ヒメクロサナエらしいメスでした.いずれにしても,小型のサナエが樹上に止まっているということだけは確認できました.これは根気よく勝負をするしかありませんね.

雨も本降りになり,13:00ころには観察を切り上げました.帰りに村岡温泉につかって疲れを取り,湯上がりに巨人阪神戦を見ていると,甲子園は晴れています.やはり今日は行き先を誤った感じでした.