トップ写真の解説
アオヤンマの産卵を写真に撮るのは結構難しいと思います.それは同じような茎が並ぶヨシ原で,どのヨシの茎に産卵するのか見当がつかないからです.産卵しているのを見つけて近づこうと思うと,たいがいヨシをかき分けて接近せねばならなくて,ガサゴソと大きな音と振動がします.その気配を感じて産卵しているメスが逃げてしまうのです.この写真は,直前に産卵していて,私が近づいて一度逃げた場所でもう一度来ることを期待して待っていたら,再びやってきたというラッキーに恵まれた時のものです.
アオヤンマの産卵は,腹部を折りたたむほどに曲げて行われます.ヨシの茎などは非常に固いため,それに穴を開けるのに大きな力がいるからでしょう.オオアオイトトンボも固い樹皮に穴を開けるために同様に腹部を折りたたむように曲げています.力学的にみて力の入る効果的な姿勢です.
アオヤンマの産卵は,腹部を折りたたむほどに曲げて行われます.ヨシの茎などは非常に固いため,それに穴を開けるのに大きな力がいるからでしょう.オオアオイトトンボも固い樹皮に穴を開けるために同様に腹部を折りたたむように曲げています.力学的にみて力の入る効果的な姿勢です.
植物組織内産卵.2012.7.31.
成虫
5月頃からその姿が見られ,7月いっぱいくらいで姿を消します.午前中に生息地のヨシ群落を上空を飛んで摂食飛翔します.それが終わると,ヨシの間に潜り込んでメスを探すようになります.メスを見つけると捕まえて交尾をします.メスは単独で産卵し,ヨシの茎の中空部に卵をたくさん埋め込むことが知られています.夕方になると再び上空を飛んで摂食し,林の方に帰って行きます.
交尾.2018.6.1.
幼虫
アオヤンマの幼虫はヨシの根際の泥の中にもぐっています.ネアカヨシヤンマの幼虫に似ていますが,背棘がないことや腹部背面の淡色条が明瞭で長く伸びていることで区別できます.池にもいますが,湿地状になったヨシ原にもいます.というか,むしろ湿地状の浅いヨシ原を好むようです.この写真の幼虫は,撮影後飼育していたものですが,終齢のままその年のシーズンは羽化せず,結局秋になって死亡しました.そしてその次の年からこの場所からアオヤンマが姿を消しました.なにか薬剤の影響で脱皮が妨げられたように感じます.幼虫期間はふつう1年です.
スタジオ写真.2012.5.19.