デジタルトンボ図鑑
モノサシトンボ科 Platycnemididae Tillyard et Fraser, 1938
 国内には,モノサシトンボ科は,3属6種1亜種(7分類群)が分布する.モノサシトンボPseudocopera annulata とグンバイトンボ Platycnemis foliacea sasakii を除いて,産地が局限される種が多い.

 グンバイトンボ属のアマゴイルリトンボ Platycnemis echigoana は池沼性の種で,青森県,山形県,新潟県,福島県,長野県にのみ分布するので,原則的にそれ以外の都道府県では考慮する必要はない.

 モノサシトンボ属のオオモノサシトンボ Pseudocopera tokyoensis は,学名の通り東京を中心とした関東一円と,東北,信越に分布する.具体的には,宮城県,新潟県,茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県,千葉県,神奈川県,東京都の各都県である.これら以外の道府県では,原則的に考慮する必要はない.

 ルリモントンボ属はいずれも南西諸島に分布している.リュウキュウルリモントンボ Coeliccia ryukyuensis ryukyuensis は沖縄本島とその周辺の島々に,その亜種アマミルリモントンボは Coeliccia ryukyuensis amamii は奄美大島と徳之島に,マサキルリモントンボ Coeliccia flavicauda masakii は西表島と石垣島に,それぞれ分布していて,分布域は重ならない.


グンバイトンボ属 Platycnemisとモノサシトンボ属 Pseudocoperaの区別

 以上から,同定上注意しなければならないことは,アマゴイルリトンボやオオモノサシトンボが分布しない地域ではグンバイトンボとモノサシトンボの区別,これらが分布する地域では,これらを加えた区別ということになる.これらの地域では次の手順で判定するとよい.
  1. 前胸に突起がある(図1グンバイトンボ(2)参照)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.
    前胸に突起はない(図1モノサシトンボ(2)参照)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.
  2. 後頭条がある(図1グンバイトンボ(1)参照)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・グンバイトンボ
    後頭条がない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アマゴイルリトンボ
  3. ♂の腹部第9,10節は全体が水色または淡緑色
    ♀の腹部第10節は全体が水色または淡緑色・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・モノサシトンボ
    ♂の腹部第9節は背面が黒色,♀の第腹部10節の背面が黒色・・オオモノサシトンボ
図1.グンバイトンボとモノサシトンボの区別点.
図1.グンバイトンボとモノサシトンボの区別点.

 グンバイトンボとモノサシトンボは,後頭部の斑紋で区別するのがいちばんよい.これは♂♀にかかわらず利用できる形質である.(1)グンバイトンボには後頭条があるがモノサシトンボにはそれがなく,水色の斑紋が複眼内側と正中線近くにそれぞれ1対ずつある.(2)またグンバイトンボを含むグンバイトンボ属には前胸に突起があるがモノサシトンボを含むモノサシトンボ属にはそれがない.したがってこれはアマゴイルリトンボとモノサシトンボの区別としても使える.なおアマゴイルリトンボにはグンバイトンボにあるような後頭条はない.















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モノサシトンボ科 Family Platyenemididae

 ルリモントンボ属
 Genus Coeliccia
026. マサキルリモントンボ
 Coeliccia flavicauda masakii
027a リュウキュウルリモントンボ
 Coeliccia ryukyuensis ryukyuensis
027b アマミルリモントンボ
 Coeliccia ryukyuensis amamii

グンバイトンボ属
Genus Platycnemis
VU 028. グンバイトンボ
 Platycnemis foliacea sasakii
029. アマゴイルリトンボ
 Platycnemis echigoana

モノサシトンボ属
Genus Pseudocopera
030. モノサシトンボ
 Pseudocopera annulata
CR
+EN
031. オオモノサシトンボ
 Pseudocopera tokyoensis