デジタルトンボ図鑑
マサキルリモントンボ Coeliccia flavicauda masakii Asahina, 1951
マサキルリモントンボ:♂,沖縄県石垣市.♀,
♂未熟,1992.5.11./ スケール:1.0cm. 100% on 150ppi.
<分類学的位置>
 トンボ目 Order Odonata
 モノサシトンボ科 Family Platycnemididae
 ルリモントンボ属 Genus Coeliccia

<分布>
 日本特産亜種であり,石垣島と西表島に分布する.台湾に原名亜種の Coeliccia flavicauda flavicauda (タイワンルリモントンボ)が分布する.

<特記事項>
 南西諸島には,3分類群のルリモントンボが生息しているが,いずれの分類群も分布が重ならないので,原則的には産地で種・亜種名を決めることができる.すなわち,奄美大島・徳之島に分布するアマミルリモントンボ Coeliccia ryukyuensis amamii,沖縄本島およびその周辺の島々に分布するリュウキュウルリモントンボ Coeliccia ryukyuensis ryukyuensis,そして石垣島・西表島に分布するマサキルリモントンボ Coeliccia flavicauda masakii である.
 標本写真の個体は未熟な個体であり,♂は成熟すると胸部側面の淡色部が,Fig.1 のように黄色から薄緑色に変化する(Fig.1 (1)(2)).時にその部分が水色になる個体がある(Fig.1 (3)).しかしその場合でも,翅胸前面の一対の斑紋は水色であり,腹部第9,10節は黄色のままである.

オスの胸部側面斑紋の色の変異
Fig.1.オスの胸部側面の斑紋の色の変化と変異.

朝比奈正二郎,1993.日本および台湾産マサキルリモントンボ類の再検討(2).台湾産および八重山諸島産種について.月刊むし (269):14-18.

<生体写真>
オスの生体写真

メスの生体写真