デジタルトンボ図鑑
エゾトンボ科 Corduliidae Selys, 1871
 国内に記録のあるエゾトンボ科は,4属13種2亜種である.エゾトンボ科は次のようなキーで検索できる.なお,兵庫県の場合は,エゾトンボ科は4種のみが分布し,トラフトンボとエゾトンボ属3種である.このうちエゾトンボ属3種は下記に記したような簡易の判別法で十分区別できる.

  1. a.体が黒と黄色の斑紋からなり,金属緑色をしていない.・・・・・・・・トラフトンボ属
    b.体が金属緑色を基調としており,黄色の斑紋が混じる.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.
  2. a.頭部顔面の大部分が黄色をしている.前後翅の第4,5径脈 R4+5 と中脈前枝 MA がその末端部で接近している.♂の肛角部が丸い.・・・・・・・・・・・・・・ミナミトンボ属
    b.頭部顔面の大部分が黒色をしている.前後翅の第4,5径脈 R4+5 と中脈前枝 MA はほぼ平行に進み,その末端部で特に接近することはない.♂の肛角部はやや尖っている.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.
  3. a.後翅の肘脈室 cu に横脈が通常1本,時に2本存在する.♂の尾部上付属器は,下付属器より少し長いだけである.♀の産卵弁は板状である.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カラカネトンボ属/カラカネトンボ
    b.後翅の肘脈室 cu に横脈が通常2本存在する.♂の尾部上付属器は,下付属器より明らかに長い.♀の産卵弁はくさび状または軽く巻いた帯状である.・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エゾトンボ属
図1.エゾトンボ科の検索表.
図1.エゾトンボ科の検索表.

<兵庫県に産するエゾトンボ属3種の比較>
 兵庫県には,エゾトンボ属は3種しか分布せず,これらの区別は比較的容易である.以下に図説しておきたい.
 オスの場合は,尾部上付属器のを横から見た形状で区別するのが一番よい.下の図にあるように,明らかな形態の違いが見られる.

兵庫県に産するエゾトンボ属3種♂の尾部付属器の比較
兵庫県に産するエゾトンボ属3種♂の尾部付属器の比較.
 メスの場合は,産卵弁の形状と,腹部の形状・斑紋で区別するとよい.下図のように,タカネトンボの産卵弁は尖っていなくて,エゾトンボとハネビロエゾトンボは尖っている.エゾトンボは成熟しても腹部に黄色の斑紋が残るが,ハネビロエゾトンボは未熟な時から黄色の斑紋はない.

兵庫県に産するエゾトンボ属3種♀の比較
兵庫県に産するエゾトンボ属3種♀の比較.
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エゾトンボ科 Family Corduliidae

トラフトンボ属
Genus Epitheca
121. トラフトンボ
 Epitheca marginata
122. オオトラフトンボ
 Epitheca bimaculata sibirica

ミナミトンボ属
Genus Hemicordulia
117. オガサワラトンボ
 Hemicordulia ogasawarensis
NT 118. ミナミトンボ
 Hemicordulia mindana nipponica
119. リュウキュウトンボ
 Hemicordulia okinawensis

カラカネトンボ属
Genus Cordulia
120. カラカネトンボ
 Cordulia aenea amurensis

エゾトンボ属
Genus Somatochlora
122. オオトラフトンボ
 Epitheca bimaculata sibirica
123. ホソミモリトンボ
 Somatochlora arctica
124. クモマエゾトンボ
 Somatochlora alpestris
125. タカネトンボ
 Somatochlora uchidai
126a モリトンボ
 Somatochlora graeseri graeseri
126b キバネモリトンボ
 Somatochlora graeseri aureola
127. エゾトンボ
 Somatochlora viridiaenea
128. ハネビロエゾトンボ
 Somatochlora clavata
129a チョウセンエゾトンボ
 Somatochlora e. exuberata
129b コエゾトンボ
 Somatochlora e. japonica