トンボノート
No.913. 神戸のトンボ調査(7)2023.6.1.

今日は台風がやってくる直前の晴れ間,お昼頃から曇ってくることは必至なので,足下の自然を見ると言うことで,家から10分かからないところへトンボ観察に行きました.今年は神戸市内のトンボにどれくらい出会えるかということを一つの目標にしていますので,足下へもきちんと行ってみることにしました.わずかな隙間時間にはぴったりの調査です.


▲家から10分かからないところにある谷筋.

まずは,昔,黄昏飛翔を見に行った谷筋(上の写真)へ行ってみました.ところが「恐ろしい」ことにトンボが全くいません.本当に何もいないのです.道路の反対側にはきれいな水の流れる小川があり,感じとしてはヤマサナエなどが飛びそうです.荒れた天候の次の快晴の日,トンボは出てくるはずです.でもいない.本当に田園地帯は荒れていることが強く感じられました.

とにかく上流の方に上がっていきトンボに出会わないので引き返したとき,コサナエ属らしい影が樹上に飛び上がったのを見ました.正体は分からず.さらに少し行くと,やっとトンボを見つけました.シオカラトンボのオスです.見ているとメスが入り,交尾しました.


▲やっと見つけたシオカラトンボの交尾.

やがて交尾は解かれ産卵かと思いきや,このメスご覧の通り左前翅がほぼ失われています.そのせいか飛ぶことができず,水に落ち,這い上がってきました.オスの方は少し前に止まったままです.


▲メスは水に落ち這い上がった.オスは止まったまま.

たったこれだけですが,トンボがいただけでもよかった.帰り道,車に驚いて道路から飛び立ちサナエトンボがいました.緑の眼で黒と黄色の縞模様,地面にペタッと止まっていたこと,そしてその大きさから,多分ヤマサナエでしょう.いることはいたようですね.

このあと,反対側の谷へも入ってみました.いくつかの普通種がいました.


▲ハラビロトンボのメス.ハラビロトンボは数頭見られた.


▲No.17:オオシオカラトンボのオス.


▲シオヤトンボのオス.今日はシオカラトンボ属全種が一同に見られた.


▲フタスジサナエのオス.

谷筋に入っていったのは,期待はしていませんでしたが,オグマサナエに出会える可能性がゼロではないからです.10年ほど前,この近くでオグマサナエを見ていますので.

家のまわりにも普通種なら結構いるみたいです.