トンボノート
No.814. 散歩.2021.10.15.

今日は快晴.本来ならどこかへトンボを見に行くところですが,どういうわけか気持ちが乗らず家で作業をしていました.家内の買い物に付き合ってお昼過ぎに出かけました.ショップは行列ができるほど混んでいたので,私は待ち時間つぶしに近くの田園を散歩することにしました.

▲散歩コースから見た田園風景.

先日の兵庫北部と変わらない,のどかな田園風景です.太陽はカンカン照り状態ですが,空気が乾燥しているせいか風が心地よく,汗をかかないのが不思議な感覚です.こういう風景の中にいると,すぐにトンボはいるか? という根っからのトンボ好きが顔を出します.ただ散歩しても面白くないので,片道約25分ほどある散歩道を歩きながら,ルートセンサスをすることにしました.トンボがどれほどいるか,定量しようというわけです.

でもいくら歩いても,トンボは1頭もいません.ときどきヒョウモンチョウやタテハチョウが飛んだりしているだけです.風景を別にすれば,まるで都会にいるみたい.いや,まだ都会の方が虫はいるかも知れません.多分昆虫に興味がない人たちは,これをなんとも思わないのだろうと思います.先日の兵庫北部では,10mも歩けば,その横に20−30頭のトンボが止まっているというのとは別世界です.昔の田園地帯を知っている人から見れば,兵庫北部の状態がふつうで,ここの状態が異常であることが分かります.宮崎駿の描く田園地帯の風景は誇張ではありません.

そんなことを考えながら歩いていると,ナツアカネが1頭止まっていました.これだけ厳しい状況の中でも,どこかから飛んできているのですね.さらに歩くと,タンデムのペアが通り過ぎました.種名は分かりません.ナツアカネか,アキアカネか,ノシメトンボでしょう.そして驚きのトンボが.鉄の棒の先に止まっているちょっと大型のトンボ,なんとオオキトンボです.写真に撮れなかったのが残念です.なんせ携帯のカメラしか持っていませんので.

オオキトンボは,兵庫県南部では結構見られることは前に書きました.こんなトンボのいない,一種の荒野みたいな所にもいるんですね.移動する途中の個体かも知れません.近くに池はなさそうです.写真を撮ろうと近づいたら飛び立ち,空高く舞い上がって姿を消しました.

あとナツアカネを4頭ほど見ました.服装が野外観察用でないので近寄れないこともあるのですが,携帯で写真に撮るとこんな感じです.

▲稲刈り前の水田にぽつんと止まっているナツアカネ.

結局50分ほど歩いて,ナツアカネ6頭,オオキトンボ1頭,アカネ属不明種1ペアという結果となりました.いつもたくさんのトンボを観察していることを報告していますが,今日は,その真逆をいってみました.