トンボノート
No.808. 例年通りミヤマアカネを.2021.9.21.

生物季節は確かだ,などと昨日書きましたが,それ故毎年同じ時期に同じトンボを見に行くということになります.こういった観察を始めて10年以上,だんだんとルーチン・ワークになり始めています.今日は,ミヤマアカネの観察です.この場所,兵庫県ではもっとも確実にミヤマアカネを見ることができる場所ですが,次第に数が減ってきています.環境はあまり変わらないし,上流に水田があるわけでもないし,草むらを歩くと,ハエが飛ぶかのように,ミヤマアカネが飛び立つといった光景はもうありません.産卵に適した流れのあるところに少し密度濃く集まっているといった程度です.



▲ミヤマアカネのオスたち.オスはきれいな色彩だが,ちょっと飽きが来る感じだ.

ミヤマアカネは私の大好きなアカトンボです.でも,オスよりはメスの麦わら色の渋い感じの方が好きです.キトンボと同じく胸側に斑紋がほとんどありません.翅の褐色バンドと白っぽい縁紋がコントラストよくマッチしています.



▲ミヤマアカネのメス.あっさりした色彩が淡い感じを出して渋い.

最近はサボリ気味で,産卵時間ちょうどに着くように家を出ています.今日も着いたのは10:20頃でした.着いたときにはタンデムがちらほら飛んでいました.この2,3年ここへ来て思うのですが,濃く生い茂ったツルヨシの中にもぐりこんで産卵しますので,あまりいい写真が撮れません.また今日は水が多くゴーゴーと音を立てて流れているような状態で,産卵に適した浅場がほとんどできていません.タンデムペアがやって来るのを待っていると,オスがメスを捕らえ,交尾が始まりました.



▲ミヤマアカネの交尾態.

11:00頃でしょうか,タンデムが飛び回っています.でも,落ち着いて産卵せず,あちこち移動するばかりです.ここぞというところで待ってはいますが,ちょっと覗いてはすぐ飛び去るといった感じです.だいぶん時間がたって,やっと,待っている場所に産卵にやってきました.

▲水際が浅くなっている場所で待っていたが,通り過ぎてヨシの中にもぐりこむ.

ここで産卵してくれたらな,という場所を通り過ぎ,ヨシの中にもぐりこんで産卵を始めました.



▲ヨシの中にもぐりこんで産卵するペア.これでは手が出ない.

ほんの一瞬,ヨシの中から浮かび上がったところを一枚だけピントを決めることができました.本当にミヤマアカネは写真が撮りにくいです.マイコアカネもそういう所がありますけど.

▲今日のまともな写真はこれ一枚だけ.

少し離れたところに,タンデムのペアが,飛ぶのが疲れたのか,ぶら下がるように止まっていました.

▲タンデムで飛び回っていたが,しばし休息のようだ.

ということで,12:00が近くなって,タンデムペアも見えなくなりましたので,ここまでとしました.いいとこねらいという,本当にサボリ気味の観察でした.