トンボノート
No.777. コサナエ属3種の観察.2021.5.3.

昨日の強風から一転,今日は風もなく穏やかな快晴の朝でした.この時期はトラフトンボかコサナエ属の観察になります.今年はトラフトンボはあまり可能性がないので,コサナエ属3種の活動を観察することにしました.

まずはフタスジサナエです.目的地に着くと,まだ朝の8時台で,外気温は12度.ちょっとトンボの動きは不活発に感じました.まだ未熟そうに見えるメスがシダの葉に止まっていました.

▲フタスジサナエのメス.朝日を浴びてシダの葉の上で体を温めているのでしょうか?

朝にはよく産卵に来るので,毎年観察している産卵ポイントに降りて,メスを待ちました.すると間もなく1頭のメスが産卵に入ってきました.



▲来て早々産卵に入ってきたフタスジサナエのメス.草の生えた岸辺で産卵している.

まあ,幸先のいいときはこんなものですね.観察を始めて5分もしないうちに,産卵にやって来てくれました.もっと早く来ていれば,さらに多くの産卵に出会えたかもしれません.







▲草の上をせわしなく行き来しながら,産卵を続けるメス.

このメスは,産卵中に静止することがありませんでした.しばらくの間産卵を続けて最後に静止しました.近づいて行くと飛び立ち,そばに隠れて止まっていたオスに捕まりました.そして交尾になりました.

▲フタスジサナエの交尾.産卵が終わったメスを捕まえることが多い.

来てすぐに一つの目的を果たせましたので,次はオグマサナエが来ている池に行って,オグマサナエの産卵をねらうことにしました.次の池に着くと,フタスジサナエが活動していました.ときどき飛んで周りをパトロールしています.



▲フタスジサナエのオスの活動.下のオスは飛んでいる.

オグマサナエは,岸辺で,フタスジサナエに混じって止まっていました.時刻は9:30.このオスといっしょにメスがやって来るのを待つことにしました.オスのいるところにメスは来るはずです.



▲オグマサナエのオスたち.多分3頭はいたと思う.ときどき飛んでパトロールしながら,メスを待っている.

1時間30分ほど待ちましたが,何も産卵にはやってきませんでした.オス君といっしょで待ちぼうけというところです.やはり夕方が狙い目なのでしょう.そこで,回りを少し調べてみることにしました.すると,別の池にタベサナエがいました.

▲タベサナエのオス.3頭ほどいたようだ.

他には変わったことがないので,もう一度オグマサナエの所へ戻りました.するとまもなくメスが産卵に入りました.胸側の黒条が1本でしたが,オグマサナエではなくタベサナエでした.この池ではタベサナエのオスが見当たらないのですが,メスは気にせず産卵にやって来るようです.

▲日陰の草地に産卵に入ってきたタベサナエのメス.




▲このタベサナエは産卵中に何度も静止した.静止して卵塊をつくっているように見えた.
▲その後しばらく産卵を続けてやがて出て行った.

残念ながらというか,予想通りというか,やはりオグマサナエの産卵を見ることはなかなか難しいです.やはり朝か夕方に攻めるしかないようですね.明日は晴天ですが,孫たちの守があり,その後しばらく天気が悪そうで,次は来週の観察になりそうです.いよいよ川に入ることにしようかと考えています.

そうそう,今日もイトトンボ類を1頭も見かけることがありませんでした.とても気になります,この状況が….コサナエ属以外には,トラフトンボが飛んでいたのと,シオカラトンボ,シオヤトンボ,そしてニホンカワトンボといったところでした.