トンボノート
No.674. 北部にトンボの姿なし.2019.4.13.


▲満開のヤマザクラ.ヤマザクラはまだつぼみだけの株もたくさんあった.兵庫県北部.

今日は全県的に快晴の予報なので,兵庫県北部の様子を見に行ってきました.去年は4月19日に行ったのですが,その時点で,未熟な,ニホンカワトンボ,アサヒナカワトンボ,コサナエなどがいて,シオヤトンボは交尾産卵,あとホソミオツネントンボも何組も産卵していました.出現状況が去年と同じなら,今頃,少なくともシオヤトンボなどは,羽化が始まっているはずです.その様子を見に行きました.しかし,トンボの姿はまったくありませんでした.やはり去年より季節の進行が遅れているようです.

そこで,すぐに引き返して,先日9日に行った場所へその後の様子を見に行きました.池の周囲を歩くと,コサナエ属の羽化個体とシオヤトンボの羽化個体が樹上へ飛び去りました.池にはホソミオツネントンボがひっそりと止まっているだけでした.

▲シオヤトンボの羽化個体メス.
▲ホソミオツネントンボのオス.止まり方が越冬中の個体のように見える.

今年が去年より季節の進行が遅れていることを写真で比較してみました.まずソメイヨシノです.昨年は4月1日に満開でした.今年は今日もまだ満開状態です.約2週間遅れているような感じです.

▲2018年4月1日.ソメイヨシノはすでに満開状態であった.
▲今日のソメイヨシノ.まだ満開状態が続いている.

次に落葉樹の状態です.場所にもよりますが,去年は4月10日の時点ですでに若葉を出している木々が目立ちましたが,今年はまだ芽が硬いようで若葉が一斉に芽吹くという状態には至っていないようです.

▲2018年4月10日.木によっては若葉が芽吹いている.
▲今年は,落葉樹は,まだ芽吹く一歩手前という感じである.

植食性の昆虫の出現は植物の状態とよく一致するようにコントロールされているようですが,トンボのように植物と一見何の関係もないような昆虫でも,特に春においては, 経験的に植物の状態とよく一致します.例えば,コサナエ属のトンボたちは,羽化すると,芽吹いたばかりの落葉樹の葉に止まって,日差しを浴びているのを見ることが多い,といった具合です.そういうふうに考えると,早春のトンボたちの本格的な出現は,あと4,5日はかかりそうな気がします.