続 トンボ歳時記
No.660. トンボの生き残り調査(1) まだ4種いた.2018.12.8.

いよいよ12月になりました.この時期,日を詰めて観察に出てもあまり変化がないので,1週間ほど空けてみました.今日はこのシーズン初の寒波襲来だそうです.観察地の外気温は9度でした.12月からは暦上の冬.冬の季節をトンボたちがどこまで生き延びるかの観察となります.前回と同じ定点に観察に行きました.空は快晴といっていい晴れ.気温は低くても,直射光の当たる地面の温度は軽く20度を超えます.

まず最初の池.ここには,キトンボ,アキアカネ,マユタテアカネが生き残っていました.キトンボは2頭いて,1頭は水辺に止まっており,水面を飛ぶこともありました.元気です.アキアカネは道ばたに4頭ほど止まっていました.そして多分アキアカネだと思うのですが,タンデムで水面を飛んでいるのを目にしました.遠くだったのでマユタテアカネの可能性もありますが....そして,マユタテアカネ.今日は顔面の眉斑も確認して,間違いありません.

▲キトンボのオス.これは道路横に止まっていて,日向で暖まっている個体.

▲キトンボのオス.池の岸に止まっていて,この個体は水面上も飛んだ.

▲アキアカネのオス.日向で暖まっている.

▲アキアカネのオス.暖かいからか,草の葉にも平気で止まる.

▲マユタテアカネのオス.マユタテアカネは前回に比べて数が減ったように感じられた.

次の池に行きました.今日一番の興味はオオキトンボが生き残っているかどうかです.兵庫県で今まででもっとも遅い私のオオキトンボの記録は12月4日です.オオキトンボは12月の声を聞くとだいたい姿を消してしまいます.でも,あっさりと記録更新,池に入るやいなや,1頭のオスが飛びました.まあ,この1頭だけしか見つかりませんでした.あと,アキアカネが1頭いました.

▲オオキトンボのオス.元気な個体で,アキアカネを追いかけ回していた.

この週末の寒波,そして来週の雨,これを乗り越えてどれだけが生き残るでしょうか.次の暖かい晴れの日にまた観察に来ることにしましょう.