これからますますトンボが少なくなっていきますが,いつまで生き残っているかについては,定点で観察を続けていくのがよいと考えています.その推移が見えるからです.ということで,オオキトンボやタイリクアカネの産卵していたNo.653の池と,キトンボやアキアカネが産卵していたNo.656の池を定点にしました.まず今日はその二つの池の現状を見てきました.
一つ目のNo.653の池には,オオキトンボ,タイリクアカネ,アキアカネがいました.キトンボも目撃しました.まだ,今日の時点で,先日と同様の種が生き残っていました.
▲オオキトンボのオス.今日は少し気温が低いせいか,2頭だけ姿を見た.
▲タイリクアカネのオス.
▲アキアカネのオス.アキアカネは池中央で産卵もしていた.
今日は生き残りの確認だけなので,特に繁殖活動を待つようなことはせず,もう一つのNo.656の池へ行きました.この池は以前と打って変わって水位が上がっていました.湿地状の池底はすべて水の中に没し,水際ももはや湿地状にはなっていませんでした.そのせいかどうかは分かりませんが,キトンボの数がとても少なかったです.仕方なく隣の池を覗いてみました.ここはまだ水が落ちていて,アキアカネが産卵していました.しかしここにもキトンボはいません.
▲水が落とされた池で産卵するアキアカネ.定点の隣の池.
その後,池の周辺の農道を歩いてトンボを探してみました.アキアカネ,マユタテアカネ,コノシメトンボがいました.池の中に降りてみましたら,キトンボとタイリクアカネがいました.いずれにしても,前回の観察とはようすが違っていて,トンボは環境変化に敏感に反応しているなと感じた次第です.
▲マユタテアカネのオス.マユタテアカネはメスも含めてたくさん見られた.
▲コノシメトンボのオス.オスは2頭いた.
▲キトンボのオス.今日はキトンボが少ない.遠くに産卵ペアを1つだけ見た.
これから生き残っていくのはキトンボなので,キトンボの数の多い池に観察地を変える必要があるかもしれません.今日はまだまだトンボたちは元気に活動をしているように見えました.12月上旬までは,いろいろなアカトンボが生き残っていることが多いのですが,12月中旬ころになると,一気に種類数が減ってしまいます.今年はどのような推移を見せるでしょうか...