続 トンボ歳時記
No.571. ヨツボシ・トラフが活動を開始していた.2018.4.26.

今日は,兵庫県南部の源流域へ,ムカシトンボの羽化を探しに行きました.だいたいがそうですが,ムカシトンボのいるような源流域へは,急峻な山を一歩一歩登っていかねばなりません.きょうも足が上がらなくなりそうな感じを抱きながら,登っていきました.結果は,全く見つからず!.まあ,なかなかムカシトンボの羽化は難しいですね.

▲ムカシトンボの羽化を探しに行った源流域.水量が多い.

そこで,転進.今日の川は,上の写真でもそうですが,きのうまでに降った雨でかなりの増水.したがって,池の方に行くことにしました.ヨツボシトンボのいる池に寄ることにしました.

▲ヨツボシトンボのいる池.泥深いガマ帯があって,トンボが飛ぶところまで入ることができない.

この池はなかなかアプローチしにくい池で,写真を撮るには適していません.まあ,きょうは,いるかいないかを確かめるだけでいいと思って,やってきました.最初はトンボの姿が見られない感じでしたが,ギンヤンマが1頭飛んでいるのを見つけました.するとギンヤンマがいろいろなトンボにちょっかいをかけ,ヨツボシトンボがあちこちから飛び立ちました.トラフトンボも追いかけられて,いることが確認できました.ヨツボシトンボがやや近くに止まった以外,遠くに飛ぶ姿を撮るしかありませんでした.

▲パトロールしているギンヤンマ.つまりもう成熟しているオスなのだ.

▲.ヨツボシトンボのオス.5,6m先に止まっているのを撮影.

▲ヨツボシトンボのオスここは入っていける位置なのだが,敏感に察知して飛び去った.

トラフトンボは交尾態が池に入ってきました.いつものように,どこに産卵するか探しながら,飛んでいましたが,メスを放す前に見失ってしまいました.

▲パトロールするトラフトンボのオス.

▲.時期的に早いですね.もう交尾して飛んでいる.残念ながら,どこで卵塊をつくっていたかは不明.

次に,先日羽化していたコサナエ属の成長度合いを見に行きました.コサナエ属のトンボたちはたくさん飛んでいて,とても楽しかったです.フタスジサナエはまだ未熟な個体が多かったですが,タベサナエ,オグマサナエは大分成熟していました.もうすぐ産卵を始める時期になりそうです.

▲新緑の葉の上に止まるタベサナエのオス.まだ若干黄色い色が残っている.

▲どんぐりの木の葉に止まるタベサナエのオス.

▲池の上にオーバオハングしている気にとまる,成熟したタベサナエオス.

春のこの時期は,新緑のまだ汚れていないきれいな葉の上に止まるコサナエ属のトンボたちが,トンボ屋の私にとっては早春の季節感を抱かせてくれる色彩です.それにしても,この池,タベサナエの数が一気に増えたように思います.一昨年までは姿を見たことがなかったのに.

▲オグマサナエは地面に止まるのがお好きなようだ.

タベサナエ,オグマサナエは水辺に出ていました.そしてフタスジサナエも1頭,水辺に出ている個体がいました.

▲葉上に止まるフタスジサナエたち.フタスジサナエがたくさんいるというのは本当に嬉しいことである..

▲1頭のフタスジサナエが,すでに水辺に出て繁殖活動を始めていた.

最後に定点池に寄りました.しかし,やはり全くトンボの姿がありません,いや,トラフトンボが1頭だけ通り過ぎました.今年はこの池はだめかもしれません,昨年水を相当長期間落としたのではないかなぁ...などと想像しています.